オスグッド|練習を休むべきか続けていいか|接骨院が見ている「止める線引き」

サッカーの練習場のベンチ脇に座り、膝のお皿の下を両手で押さえて痛みを気にする中学生の男の子のイメージ

この記事の要約

・走ると膝の下が痛いと言う
・膝の下の骨が出てきて、触ると痛がる
・でも本人は、試合が近いから休みたくないと言う

そんなお子さんを前に、続けさせていいのか、止めた方がいいのか、迷っておられる親御さんに向けて書きました。

当院では、膝を曲げた時にどこまで曲げられるか、膝下の骨の出っ張りがどのくらいか、しゃがめるか、正座ができるか、を見て線引きをしています。

止めた方がいい状態、様子を見ながら続けられる状態、休んでもまた痛くなる理由、大会が近くて休めない時の考え方、練習を続けるためのテーピングまでをまとめました。

膝の痛みですが、膝だけの問題ではないことが多いです。

※動画は現在編集中です。もう少しお待ちください。

「走ると痛い。でも休みたくない」

新学期や夏休み明けの部活再開、運動会や新人戦の前になると、膝の下の痛みで来られるお子さんが多くなります。

親御さんからは、こんなふうに伺うことが多いです。

走ったら膝が痛いと言うので様子を見ていたら、だんだん痛みが強くなってきた。

背が伸びているので成長痛かもしれない。

膝の下の骨が出てきて、触ると痛い、当たると痛くて正座ができない。

お子さん本人からは、走るとだんだん痛くなる、階段で痛い、ジャンプした時に痛い、膝が痛くてしゃがめない、という言い方が多いです。

そして部活をしている子は、試合に出たいからなるべく休みたくない、人数が少ないから休めない、と言います。

こうした状態は、オスグッド(オスグッド・シュラッター病)を疑います。

膝のお皿の下にある骨の出っ張り(脛骨粗面)に、太ももの前の筋肉が繰り返し引っ張る力をかけて、炎症や痛みが起こるものです。

陸上、サッカー、バスケ、バレーのように、ダッシュ、ジャンプ、急に止まる、方向転換が多い競技で起こりやすいです。

成長痛との見分けや初期症状については、こちらの記事にまとめています。

子供の膝が痛くて運動できない。成長痛?オスグッド?症状チェックとセルフケア

ここからは、当院が実際に見ている線引きをお伝えします。

こんな状態なら、いったん止めた方がいいです

当院では、次のような状態の時は、練習をいったん止めていただいています。

膝下の骨の出っ張りが大きい。

触っただけで痛い。

ベッドに座って膝を曲げ、膝のお皿の下にある骨の出っ張りを指で示す院長

仰向けに寝て膝を曲げていくと、痛みがあって90度より曲げられない

立った状態からしゃがんでいくと、120度くらいで痛くて曲げられない

出っ張りの大きさや痛みの強さに比例して、腫れや熱感が強くなることもあります。

腫れだけで判断することはありません。

この状態で走ったり跳んだりを続けると、痛みが強くなり、休む期間もかえって長くなります。

こんな状態なら、様子を見ながら続けられます

逆に、次のような状態であれば、痛みはあっても続けられることが多いです。

痛みはあるが、しゃがめる。

正座ができる。

膝下の骨の出っ張りが小さい。

出っ張りの大きさは、正座をした時に当たる感じがするか、見た目ではっきり出ているのが分かるか、で見ています。

ただし、続けられるといっても、そのままにしていいという意味ではありません。

痛みが強くなってきたら、上の「止める状態」に近づいているサインです。

そして、止めるにしても続けるにしても、もう一つ見ておきたいことがあります。

休むと痛みが引くのに、復帰するとまた痛くなる理由

休んでいる間は痛みが引いたのに、練習を再開するとまた痛くなる。

この繰り返しになるお子さんが少なくありません。

休めば炎症は引きますが、膝の下に負担をかけている原因は、休むだけでは変わらないからです。

当院では、その原因を姿勢のバランスと見ています。

土踏まずのアーチの崩れ、股関節の動きの偏りがあると、走る、跳ぶ、止まるたびに、膝の下の骨の出っ張りに引っ張る力が集中しやすくなります。

仰向けの患者の膝を曲げて股関節の動きを確かめる院長

これはオスグッドに限ったことではありません。

かかとの痛み(シーバー病)、足裏の痛み(足底腱膜炎)、お皿の下の痛み(ジャンパー膝)でも、同じことが起こっています。

シーバー病のテーピング|成長期のかかとの痛みに接骨院で実際に巻いている方法

痛む場所は違っても、その部分に負担がかかりやすい体の使い方になっている、という点は共通です。

ですから当院では、上の線引きと同時に、姿勢と足のアーチを検査で確認しています。

そして施術の前後で、姿勢の変化や検査の変化を、お子さんと親御さんに実際に動いて確かめていただいています。

膝の痛みですが、膝だけの問題ではない

これが、この記事で一番お伝えしたいことです。

そのうえで、休み方の話に入ります。

「休む」は、全部を休むことではありません

休むと聞くと、部活を丸ごと休むことを思い浮かべる方が多いと思います。

当院で完全に休んでいただくのは、上に書いた「止めた方がいい状態」の時です。

そこから、しゃがめるようになった、正座ができるようになった、と一つずつできることが増えてきたら、基礎練習だけに出る、走らないメニューだけに出る、というふうに、できる範囲を絞って少しずつ戻していきます。

休む期間は、1週間や2週間という目安を先にお伝えしています。

これは検査の結果で決めています。

病院で2週間安静と言われて来られるお子さんもいます。

その場合も、病院で言われた状況と当院の検査の結果を合わせて、練習量を減らせば対処できるならそのまま練習していただきますし、休んだ方がいい場合はその理由と目安をお伝えします。

ポイント
・止めた方がいい状態=出っ張りが大きい、触るだけで痛い、膝を曲げると痛くて90度より曲げられない、しゃがむと120度くらいで痛くて曲げられない
・続けられる状態=痛みはあるがしゃがめる、正座ができる、出っ張りが小さい
・休むといっても、できることから少しずつ戻していく
サボっていると思われたくない、というお子さんへ

休むように言うと、チームの中でサボっていると思われるのが嫌だ、というお子さんもいます。

そんな時、当院ではこうお伝えしています。

この練習はできない代わりに、こっちを強化しておくと、復帰した後にもっと良くなるよ。

みんなと全部同じことをする必要はなくて、今のあなたができることで最善を尽くせばいい。

休む期間を、ただ待つ時間ではなく、次に向けて準備する時間にしていただきたいと思っています。

大会が近くて、どうしても休めない時

大会や新人戦が近くて、どうしても休めないという場合もあると思います。

その時は、まず大会に出ることを目標にして、そこから逆算して進め方を組み立てます。

痛みがある状態では、大会でできることも限られます。

その中で、できることを絞る、治療の回数を詰めて痛みを落ち着かせる、テーピングで動ける状態を作る、という形でまず大会へ向かい、大会が終わってから治療を進めていきます。

ただし、検査の結果によっては、出るとしても時間を制限する、あるいは今回は出ない方向をおすすめすることもあります。

これから先の膝のことを考えて、お子さんと親御さんと相談したうえで決めています。

実際に当院にご来院されていた患者さんの症例をご紹介します。

今治市の小学生で、バスケットボールをしているお子さんでした。

膝の痛みでしゃがめない状態で、大会まで3週間ほどしかありませんでした。

検査をすると、膝だけでなく股関節の動きと、土踏まずのアーチに問題がありました。

そこで、膝の炎症を落ち着かせるテーピングを含めて、股関節と足の状態を整える治療を進めました。

大会までにしゃがめるようになり、ジャンプシュートも不安なくできる状態で出場できました。

練習を続けるための、オスグッドのテーピング

痛みを抑えながら練習に出る時、当院ではテーピングで膝の下の負担を軽くしています。

目的は3つです。

・太ももの前の筋肉が引っ張る力を分散させる
・お皿を左右から包んで安定させる
・痛む出っ張りを直接押さえる

使うのは、5センチ幅のキネシオテープ(伸縮するテープ)です。
ドラッグストアやスポーツ用品店で手に入ります。

長さは、この5本を目安にしてください。

・長さ20センチ 3本(1本目は端を5センチ残して真ん中に切り込みを入れ、Y字にする)
・長さ18センチ 2本

テープは、膝を曲げた状態で貼ります。
90度を目安にして、曲げると痛む場合は楽な角度に合わせてください。

まず、1本目です。Y字にした20センチのテープを使います。

Y字の割れている側を膝に向けて、根元を太ももの前側に貼ります。

Y字に切ったキネシオテープを膝の上の太もも前側に当てて貼り始める様子

割れた2本で、左右からお皿を包むように、引っ張りながら貼ります。

引っ張る強さは、テープが伸び切った状態を100とすると、80くらいです。

Y字テープの2本でお皿を左右から包むように引っ張りながら貼る様子

2本目は、20センチのテープです。

お皿の下の出っ張りの内側から貼り始め、お皿を包むように引っ張りながら、太ももの前の外側へ貼ります。

お皿の下の出っ張りの内側からお皿を包むように太ももの前の外側へテープを貼る様子

3本目も、20センチのテープです。

今度は出っ張りの外側から貼り始め、お皿を包むように引っ張りながら、太ももの前の内側へ貼ります。

お皿の下で2本が交差する形になります。

お皿の下の出っ張りの外側からお皿を包むように太ももの前の内側へテープを貼る様子

4本目は、18センチのテープです。

いったん膝を伸ばして、お皿の上が真ん中に来るようにテープを当てます。

そこから膝を曲げながら、テープを引っ張って貼ります。
この1本は、引っ張る強さ100で貼ります。

膝を伸ばした状態でお皿の上が真ん中になるようにテープを当てる様子

最後の5本目も、18センチのテープです。

膝を曲げた状態で、お皿の下の出っ張りを上から押さえつけるように貼ります。
これも強さ100で貼ります。

膝を曲げた状態でお皿の下の出っ張りを上から押さえるようにテープを貼る様子

テープの貼り始めと貼り終わりは、1〜2センチ引っ張らずに貼ると、剥がれにくく、かぶれの予防になります。

かゆみがなければ3日ほどもちますが、練習のたびに貼り替える方が固定する力を保てます。

かぶれやすいお子さんは、練習が終わったらすぐに外してください。

テーピングは痛みを抑えて動きやすくするためのもので、それだけで原因が変わるわけではありません。

貼って痛みが軽くなっても、上の「止めた方がいい状態」に当てはまる時は、無理をさせないでください。

テーピングの考え方や、サポーターとの違いについては、こちらの記事にまとめています。

オスグッドのテーピング〜スポーツ・急性期にサポーターより効果的な簡単な巻き方

ストレッチについては、こちらをご覧ください。

【オスグッド】子供の膝痛が悪化する?ストレッチのやり方に注意!

我慢して続けると、どうなるか

痛みを我慢して練習を続けたお子さんは、膝下の骨の出っ張りが大きくなっていくことがあります。

見た目で目立つだけでなく、痛みがなくなった後でも、正座をすると出っ張りが当たって痛くなることがあります。

そこまでいく前に、長い期間休まなければならなくなることもあります。

無理をしているうちに、膝をかばって別の場所が痛くなることもあります。

どちらにしても、あまりいいことはありません。

出っ張りが残るか、大人になっても痛むかは、お子さんによって違います。

実際に触って確認したうえで、その心配がある時にはお伝えするようにしています。

こんな時は、病院で診てもらってください

オスグッドは、多くの場合、成長とともに落ち着いていくものです。

ただ、次のような時は膝の使いすぎとは別の問題が考えられますので、病院で診てもらってください。

・膝全体が腫れている
・膝に水が溜まっている
・熱が出ている
・膝をひねった、ぶつけた後に急に強く痛み出した
・膝の下の骨の出っ張りが、急に大きくなった

当院の検査で、半月板や靭帯を傷めている疑いがある場合も、病院での確認をおすすめしています。

初期症状の見逃しについては、こちらの記事にまとめています。

オスグッド重症化を防ぐ!見逃せない子供の初期症状を患者さん改善例で解説

最後に

続けるか、休むか。

その線引きは、お子さんの膝の状態を見れば決められます。

そして、休むだけでは変わらない原因を一緒に整えていくことで、休む期間を短くし、繰り返しを減らすことができます。

大会が近くて迷っておられるなら、早めにご相談ください。

無理せず、まずはお気軽にご相談ください。

(鍼師・灸師・あんまマッサージ指圧師・柔道整復師 星野泰隆監修)

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この記事の要点

・止めた方がいい状態=出っ張りが大きい、触るだけで痛い、膝を曲げると痛くて90度より曲げられない、しゃがむと120度くらいで痛くて曲げられない
・続けられる状態=痛みはあるがしゃがめる、正座ができる、出っ張りが小さい
・休んでもまた痛くなるのは、姿勢のバランスや土踏まずのアーチという原因が残っているから
・休むといっても全部を休むのではなく、できることから少しずつ戻していく
・大会が近い時は、できることを絞り、治療とテーピングでまず大会へ。その後に治療を進める
・当院で実際に巻いているテーピング5本の手順を紹介(5センチ幅のキネシオテープ)
・膝全体の腫れ、水が溜まる、発熱、ひねった後の急な痛みは病院へ
・痛みを感じたら無理をせず、早めにご相談ください

この記事を書いた人

星野鍼灸接骨院 院長 星野泰隆

今治市で星野鍼灸接骨院の院長をしている星野泰隆です。
鍼師・灸師・あんまマッサージ指圧師・柔道整復師という4つの国家資格を持ち、20年以上にわたって地域の皆さまの体のお悩みに向き合ってきました。

実は私自身、子どもの頃からケガが多く、足首の捻挫のせいで高校生まで全力で走ることができませんでした。

だからこそ、走れない悔しさを抱えているお子さんの力になりたいと思っています。

院長ヒストリー

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