この記事の要約
膝に水が溜まって病院で抜いてもらったけれど、また溜まってしまう。
そんなとき、「水を抜くと癖になる」と聞いて不安になる方が少なくありません。
この記事では、水が溜まるのは体に何が起きている状態なのか、繰り返す本当の理由、腫れている時期の過ごし方、そして病院へ行く目安をまとめています。
この記事の要点
・膝の関節液はもともとあるもので、炎症を抑えるために滲み出てくる
・抜いたから癖になるのではなく、溜まる原因が残っているから繰り返す
・何度も溜まる方は、膝に偏った負担がかかる体の使い方になっていることが多い
・腫れている時期は、伸ばしっぱなし・曲げっぱなしを避けて、少し曲げた状態で休ませる
・熱がある、膝がぐらつく、赤くパンパンに腫れている場合は病院へ
この記事を書いた人
今治市で星野鍼灸接骨院の院長をしている星野泰隆です。
鍼師・灸師・あんまマッサージ指圧師・柔道整復師という4つの国家資格を持ち、20年以上にわたって地域の皆さまの体のお悩みに向き合ってきました。
痛む場所だけを診るのではなく、体全体の負担を見て、回復しやすい状態に整えることを大切にしています。
こんな流れで来られる方が多いです
膝に水が溜まってご相談に来られる方には、いくつかの決まった流れがあります。
もともと少し膝に痛みがあった方が、旅行に行った後や、長時間立っていたり歩いたりした後から痛みが強くなり、検査してみると水が溜まっていた。
膝が痛くて病院に行き、水が溜まっていると言われて抜いてもらった。
何度か抜いたけれど痛みが続いていて、様子を見ましょうと言われた。
以前にも何度か水が溜まったことがあり、今回も同じような痛みがある。
でも病院で水を抜くのが怖い。
このあたりが、当院でよくお聞きする流れです。
「抜くと癖になる」と聞いたことはありませんか
こうしてご相談に来られた方から、よく出てくる言葉があります。
病院で水を抜いていると癖になる、と友人や知人から聞いた。
何回も抜いていると変形する、とテレビで言っていた。
こうした話を耳にすると、抜いた方がいいのか、我慢した方がいいのか、判断がつかなくなりますよね。
そもそも、水が溜まるのは体の反応です
まず知っていただきたいのは、膝の関節液はもともと関節の中にあるものだということです。
関節を包む膜から分泌されて、また吸収される。
そうやって入れ替わりながら、膝の動きをなめらかに保っています。
では、なぜ溜まるのか。
膝の中に炎症が起きると、それを抑えようとして関節液が多めに滲み出てきます。
つまり水が溜まっている状態は、体が悪いことをしているのではなく、炎症に対する反応が出ているということなんですね。
ですので、水そのものが悪いものというわけではありません。
安静にしていれば、自分で吸収していくこともあります。
「癖になる」の正体
では、なぜ何度も溜まってしまうのでしょうか。
水を抜くと、膝の張りが取れて曲げ伸ばしが楽になります。
動きやすくなるので、つい普段どおりに動いてしまいます。
ところが、楽になったことと、傷んだところが治ったことは別なんです。
炎症のもとが残っているまま動けば、また関節液が滲み出てきます。
これが繰り返されると、抜いたせいで癖になったように感じられるわけです。
実際のところ、抜くこと自体が悪いわけではないと考えています。
きちんと原因のほうを治療していけば、何度も溜まるということは少なくなっていきます。
何度も溜まる方に共通していること
では、その原因はどこにあるのか。
何度も水が溜まる方を見ていると、共通していることがあります。
膝の関節が、捻れるように動いてしまっている。
あるいは、片側に偏った負荷がかかりやすい姿勢になっている。
そして、その姿勢を作っている歪みが、膝ではなく足や腰にあることが多いんです。
膝に変形が出ている方は、より溜まりやすくなります。
ただその場合も、負担のかかり方を作っているのは膝だけではありません。
ですので、まずは楽な姿勢で動きやすい状態にしていくことが大事になります。
抜くか、抜かないか
抜くかどうかを決めるのは病院ですが、患者さんから聞かれることも多いので、当院でお伝えしていることを書いておきます。
痛みがあまりにひどい場合、あるいは水が大量に溜まって歩くのも辛い場合は、抜いた方が痛みは早く引きます。
一方で、炎症でパンパンに腫れ上がっているような状態でなければ、量が多くても抜かずに様子を見るという選択もあると考えています。
ただし、腫れていると重だるくなりますし、痛みが強くなることもあります。
ですので当院では、こうした説明をしたうえで、最終的な判断はご本人にお任せしています。
抜いた直後に気をつけること
水を抜いた後にいちばん多いのが、楽になって動きすぎてしまうことです。
張りが取れて動かしやすくなるので、つい無理をして長く歩いたり、いつもの姿勢で座り続けたりしてしまいます。
ここを気をつけていただくだけでも、経過は変わってきます。
腫れている時期の過ごし方
腫れている時期は、基本的に安静です。
冷やすのもよいと思います。
そのうえで、膝の置き方に気をつけていただきたいところがあります。
意外に思われるかもしれませんが、伸ばしっぱなしも、曲げっぱなしもよくありません。
・膝の下にクッションを入れるなどして、少し曲がった状態で保つ
・足が浮いた状態で椅子に座らない
こうした形で、膝が楽な位置に収まるようにしてあげてください。
それから、曲げ伸ばしを繰り返すと炎症が強くなりやすいので、腫れている時期に曲げ伸ばしをするようなストレッチは控えてください。
歩く量や正座については、状態によって変わります。
当院では、その方の状況に合わせてどれくらいまでにしておくかをお伝えしています。
正座は、膝に変形があるともともとできないことが多いので、無理にする必要はありません。
膝の負担を軽減するテーピング
膝の負担を減らすために、当院でお伝えしているテーピングをご紹介します。
骨が変形していても、テープで負担を減らすことはできます。
用意するのは、5センチ幅で18センチの長さに切ったテープを4枚です。
はじめに、貼り始めの位置を決めます。
お皿の下にある、骨が出っ張っているところです。
ここが4枚とも共通の起点になります。
場所が決まったら、1枚ずつ貼っていきます。
1枚目
膝を90度に曲げた状態で、起点から内側から外側へ向かって貼ります。

2枚目
同じ起点から始めて、今度は内側へ向かって貼ります。

3枚目
同じ起点にテープの真ん中を合わせて、膝を伸ばしながら貼ります。

4枚目
膝を伸ばした状態で、膝の上に来ているテープの端にテープの真ん中を合わせ、今度は膝を曲げながら貼ります。

4枚が貼れると、テープが膝を掴むような形になります。
こうすると膝が安定して、動きやすくなるんですね。

貼るときのコツが一つあります。
貼り始めと貼り終わりは、引っ張らずに貼ることです。
ここを引っ張らないだけで、負担が少なくなり、かぶれにくくなります。
なお、貼っていて痛みが強くなる場合や、かゆみが出る場合は、無理をせずはがしてください。
当院での対応
当院では、まず水を早く引かせるための施術を行います。
あわせて、テーピングや包帯で膝を支えて、負担のかかりにくい状態を作ります。
そのうえで、膝の軸を整えていきます。
足首と股関節の動きも一緒に確認して、膝に偏った負担がかからないようにしていく形です。
通院の目安としては、はじめは週に1回を3回ほど。
そこから2週間おきを2〜4回、さらに3週間、4週間と間隔を空けていきます。
歪みや変形があると負担がかかりやすいので、間隔を空けながら予防していく形で続けられる方が多いです。
なお、ケガの後に溜まった水と、変形があって繰り返す水で、考え方は基本的に同じです。
ケガの場合は打撲や捻挫で組織を傷めていることが多いので、その傷が治るための処置を加えていきます。
この場合は病院へ
次のような場合は、先に病院で診てもらってください。
・熱がある
・膝が不安定で、ぐらつく感じがある
・赤くなってパンパンに腫れ、炎症がひどい
また、抜いても腫れが引いてこない場合は、感染によって関節に炎症が起きていることもあります。
この場合は検査が必要になりますので、当院でも初診の時点で疑いがあれば、病院にご紹介しています。
まとめ
何度も水を抜いているということは、溜まる原因がどこかにあるということです。
膝に負担がかかりやすい状態に体がなっているので、その原因が解消できれば、水は溜まりにくくなっていきます。
抜くことを不安に思うより、まずは体の状態を確認してみるのがよいのではないかと思います。
今治市で膝の水や腫れを繰り返してお困りの方は、無理をせず、お気軽に当院までご相談ください。
なお、転倒して膝を強く打った後に水が溜まったケースについては、こちらの症例でも詳しくお伝えしています。
▼ 転倒して膝を強く打ち、痛みと腫れで歩くのも辛い70代女性の改善例
https://www.starlife2004.com/2025/11/04/knee-effusion-2/
また、膝の痛みがなかなか良くならない理由と、当院の考え方は、こちらのページにもまとめています。
今治市で膝の痛みが良くならない方へ|膝だけを見ない当院の考え方
(鍼師・灸師・あんまマッサージ指圧師・柔道整復師 星野泰隆監修)
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