この記事の要約
今回のテーマは、ぎっくり腰になったのに、翌日に休めない仕事がある、というご相談です。
仕事中に振り返った瞬間に腰にバキッと衝撃が走り、立ち座りと階段が痛くて、市販のベルトがないと動けない。
それでも翌日には、朝から丸一日かかる外せない現場がある、という状況です。
検査で見ていくのは、痛いのは腰でも、元は腰ではないことがある、という点です。
例えば、骨盤の片側が出っ張る、片側の膝が外を向く、背骨の前後の動きが悪くなっている、といった特徴が見つかることがあります。
この体の使い方で、腰に負担が集まっていると私は考えています。
翌日の仕事の内容を問診で詰めて、どこまでできればいいかを確認したうえで、「明日を乗り切ること」を施術の第一条件に置きます。
初日は、首から背中の歪みを整えてから腰へ進め、鍼で筋肉を緩めて、テーピングとコルセットで翌日の負担を減らす形をとることがあります。
そのあとは、元にある歪みを整えていきます。
振り返った瞬間に、腰に「バキッ」ときた
内装工事の現場のように体を使うお仕事で、夏が一番忙しく、長年ほとんど休みが取れていない、という方からのご相談があります。
仕事中に振り返った瞬間、腰にバキッと衝撃が走る。
「あ、やっちゃった」という感覚です。
以前に一度ぎっくり腰をして以来、久しぶりのことだった、という方もいらっしゃいます。
痛みは腰全体で、立ったり座ったりが一番痛く、階段もきつい。
車の乗り降りも少しつらい。
座っているだけなら痛みはなく、しびれもない。
安静にしていても、ほとんど動けない。
市販のベルトを巻いていないと、動くのもきつい状態です。
実は、ぎっくり腰になる少し前から、腰に違和感を感じていた、という方もいらっしゃいます。
「ちょっとやばいかな」とは思っていたけれど、仕事はできるくらいだったので、そのまま続けていた、というお話です。
仕事は断った。でも明日だけは休めない
問診でまず伺うのは、これからの予定です。
ぎっくり腰になってから、数日分の仕事をキャンセルした、という方もいらっしゃいます。
ただ、翌日だけは、朝から丸一日かかる現場がどうしても外せない。
そこを乗り切れば、お盆休みに入って安静にできる、というお話です。
「まずは、明日をなんとか乗り切らないといけないですね」
問診でそうお伝えして、施術の第一条件を「翌日の仕事の負担を少しでも減らせる状態を作ること」に置きます。
「休めない人」に、当院がしている線引き
休めない人であっても、状況によっては休んだ方がいいとお伝えすることはあります。
ただ、仕事の内容や時間をご自身で調整できる場合は違います。
どこまでのことができればいいのかを問診で詰めて、それが可能かどうかを判断します。
そのうえで、一番いい形で仕事ができる方法を選びます。
このときは、テーピングとコルセットを使うことがあります。
安静だけが正解ではない場面があります。
安静にして休んだあとも、痛みがぶり返すことはあるからです。
だからこそ、翌日を乗り切ることと、その先の体を整えることを、分けて考えています。
検査で分かること|痛いのは腰、元は骨盤と背骨の動きにあることがある
体の動きを確認していくと、いくつかの特徴が見つかることがあります。
まず立った姿勢で、下半身はまっすぐなのに、上半身だけが大きく片側に寄っている。
骨盤は片側がポコッと出っ張っている。
この出っ張りは、ご本人に実際に触って確かめてもらいます。
そのまま座ってもらい、もう一度触ってもらうと、出っ張りが変わります。
上半身が原因なら、立っても座っても変わらないはずです。
座ると変わるということは、元は下半身にある、と私は考えます。
さらに、片側の膝が反対側に比べて大きく外を向いていることがあります。
背骨は本来、前後にゆるやかなカーブがあります。
このカーブがクッションの役割をしているのですが、腰のカーブが伸びてまっすぐに近い状態の方もいらっしゃいます。
クッションが減っているぶん、筋肉に負担がかかりやすいと考えられます。
問診票に、五十肩やテニス肘にもチェックが入っている方もいらっしゃいます。
肩と肘の左右差を確認すると、こちらも同じ流れの中で説明がつくことがあります。
背骨の前後の動きの悪さがベースにあり、骨盤から股関節の動きに左右差がある。
その傾きが肩甲骨まわりの緊張につながり、上を向く作業で首がしんどくなったり、肩や肘に負担がきやすくなったりしていると、私は考えています。
施術と、翌日に向けた帰し方

初日は、首から背中の歪みを整えることから始めて、腰と骨盤へ進めます。
鍼で筋肉を緩め、腰からお尻、背中にかけてテーピングを貼ることがあります。
施術のあと、立った時の傾きが減っているかを、ご本人にも確認してもらいます。
固まっていたところを緩めると、反動でだるさが出たり、別の場所が痛くなったりすることがあります。
ただ、明日は仕事がある。
なので、その反動がなるべく出ないように調整してあります、とお伝えします。
翌日のお仕事と、その先の通い方
翌日の仕事では、重いものを持つのはなるべく避けて、できる範囲の仕事をこなす。
仕事のあとには張りや痛みが出ることがあるため、無理はしないでください。
翌日を乗り切ったあとは、詰めて通う段階から、間隔を空けていく段階へ、状態をみながら相談して決めています。
その先は、メンテナンスとして体を整えていきます。
セルフケア|足の向きをそろえる

※写真はイメージです
お伝えしているセルフケアは、足の向きです。
足の指が向いている方向に、力は入りやすくなります。
つま先が外に開いた立ち方だと、体重はかかと寄りに乗りやすくなります。
つま先が内に向いた立ち方だと、今度はつま先寄りに乗りやすくなります。
重心が前か後ろに偏ると、骨盤の傾きも一緒に変わりやすくなります。
骨盤が前に傾くと重心は前へ、後ろに傾くと重心は後ろへ移る、という関係があると、私は考えています。
なので、足を平行にそろえて、重心がまっすぐ乗るようにします。
これで歪みが取れるわけではありません。
でも、歪みにくくなる助けになると考えています。
一日中ずっとは無理なので、気づいた時に戻すだけで大丈夫です。
痛みを感じる時は、無理をしないでください。
ぎっくり腰の前兆は、足に出ていることが少なくない
「ちょっとやばいかな」と感じるのは、腰かもしれません。
実は、ぎっくり腰や腰痛の前兆は、腰より先に足に出ていることが少なくないのです。
ふくらはぎがつる。
ふくらはぎがだるい。
太ももが張る。
こうした足のサインを、腰の前兆だと捉えている方はあまりいらっしゃいません。
足に出ていても、腰の痛みだとは思わないからです。
そして腰が痛くなった時に、初めて「やばい」と思う。
腰の軽い張りを感じた時には、すでに前兆の段階を一つ通り過ぎていることが少なくありません。
前兆が足に出ていた場合のお話と、その時にできるふくらはぎのケアは、こちらの記事にまとめています。
ぎっくり腰で立ち上がりが辛い40代女性の改善例|実は前兆が足に出ていました
足のサインの段階で来ていただければ、ぎっくり腰まで進む前に整えられることもあります。
腰を痛めるのは、腰に負担がくる姿勢や動きになっているからです。
その元は人によって違います。
今回のような場合は、股関節と背骨の動きが元になっていることがあります。
この場合は医療機関へ
ぎっくり腰の多くは体の使い方や緊張から来るものですが、中には早めに医療機関で確認した方がよいものもあります。
・脚のしびれや、力の入りにくさを伴う
・排尿や排便に異常がある
・発熱を伴う
・安静にしていても、痛みが日ごとに強くなっていく
・転倒や強くぶつけた後から、痛みが続いている
こうした場合は無理をせず、念のため医療機関でも相談しておくと安心です。
ぎっくり腰になっても、明日どうしても休めない仕事がある。
そんな時は、安静にするか無理をするかの二択ではありません。
明日を乗り切る形を作ってから、元にある歪みを整えていく道があります。
腰の痛みでお困りの方は、無理せず、まずはお気軽にご相談ください。
症状によっては、医師の診察が必要な場合があります。気になる症状があるときは、まず医療機関にご相談ください。
腰痛を繰り返す理由と、当院の考え方は、こちらのページにもまとめています。
(はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師・柔道整復師 星野泰隆監修)
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この記事の要点
・ぎっくり腰でも、翌日に休めない仕事がある時は「明日を乗り切る」形から始める考え方がある
・安静だけが正解ではなく、休んだあとに痛みがぶり返すこともある
・痛いのは腰でも、元は骨盤や股関節、背骨の動きにあることがある
・ぎっくり腰の前兆は、腰より先に足に出ていることが少なくない
・足のサインの段階で整えれば、ぎっくり腰まで進む前に整えられることもある
・脚のしびれや脱力、排尿の異常、発熱を伴う痛みは医療機関へ
この記事を書いた人
今治市で星野鍼灸接骨院の院長をしている星野泰隆です。
はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師・柔道整復師という4つの国家資格を持ち、2004年に開業し、臨床の現場に立ち続けています。
痛む場所だけを診るのではなく、体全体の負担を見て、回復しやすい状態に整えることを大切にしています。











