この記事の要約
お子さんが高いところから飛び降りたあと、かかとの痛みが続いている。
病院でレントゲンを撮って「異常なし」と言われたのに、歩くと痛がる。
この記事では、「異常なし」と言われても痛みが続く理由と、ご自宅でできる確認のしかた、様子を見る目安、湿布の正しい使い方をまとめました。
「何をしてあげたらいいのか分からない」という親御さんの、判断の材料になればと思います。
この記事の要点
・レントゲンは主に「骨の形」を見る検査。骨の内部の炎症(骨挫傷)や軟骨・筋肉の炎症は写りにくいことがある
・子どもの骨は成長途中でやわらかく、ケガの直後はレントゲンに骨折が写らないこともある
・成長期のかかとには「成長のための軟骨」があり、強い衝撃や繰り返しの負担で炎症を起こすことがある
・自宅での確認は「痛みの場所」から。かかとの下か、後ろか、全体か
・様子を見る目安は3〜4日。安静にしても痛みが変わらない、または悪化するときは医療機関へ(一度「異常なし」でも再受診してよい)
・歩けないほどの痛み、強い腫れや変形、しびれがあるときは、様子を見ずにすぐ医療機関へ
この記事を書いた人

今治市で星野鍼灸接骨院の院長をしている星野泰隆です。
鍼師・灸師・あんまマッサージ指圧師・柔道整復師という4つの国家資格を持ち、20年以上にわたって地域の皆さまの体のお悩みに向き合ってきました。
痛む場所だけを診るのではなく、体全体の負担を見て、回復しやすい状態に整えることを大切にしています。
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「高いところから飛び降りて、かかとを痛がっている」
「病院では異常なしと言われたのに、歩くと痛いと言う」
「湿布はもらったけど、いつ、どこに貼ればいいのか分からない」
こんなお悩み、ありませんか?
私の院でも、お子さんのかかとの痛みについて、こんなご相談をいただくことがあります。
病院で「異常なし」と言われると、ひとまずホッとしますよね。
でも、痛みは続いている。
骨折していないか。歪んでいないか。運動に支障が出ないか。いつまで様子を見ればいいのか。
「異常なし」の一言だけでは、こうした疑問への判断材料が何もないまま。
それが、親御さんにとって一番の不安なんです。
「異常なし」と言われたのに、なぜ痛みが続くのか
まず知っていただきたいのは、レントゲンは主に「骨の形」を見る検査だということです。
骨折のような骨の形の変化がなければ、「異常なし」となります。
でもそれは、「どこにも問題がない」という意味ではありません。
たとえば、骨挫傷(こつざしょう)という状態があります。
骨の表面は折れていなくても、強い衝撃で骨の内部が傷んで、炎症を起こしている状態です。
レントゲンには写りにくく、MRIなどの検査で分かることがあります。
骨の内部に炎症があると、体重をかけるたびに強く痛みます。
表面のケガより痛みが長引くことも、めずらしくありません。
このほか、かかとまわりの軟骨や、かかとを支える筋肉・腱の炎症も、レントゲンには写りません。
つまり「異常なし」は、「骨の形には異常がない」ということ。
痛みの原因がなくなったわけではないんです。
成長期のかかとには「成長のための軟骨」があります
お子さんの場合、もうひとつ知っておいていただきたいことがあります。
成長期のかかとの骨には、骨端線(こったんせん)と呼ばれる、成長のための軟骨の部分があります。
かかとの骨はこの軟骨の部分から伸びて、大人の骨になっていきます。

この軟骨は、大人の骨ほど強くありません。
高いところからの着地のような強い衝撃や、ランニング・ジャンプなどの繰り返しの負担で、炎症を起こすことがあります。
繰り返しの負担で起こるものは、シーバー病(踵骨骨端症)と呼ばれ、成長期のお子さんに見られます。
そしてもうひとつ、お子さんのかかとで知っておいていただきたいことがあります。
子どもの骨は成長の途中で、大人よりもやわらかい部分が多く残っています。
そのため、大人なら捻挫で済むくらいの力でも、子どもは骨や成長軟骨のほうを傷めていることがあります。
しかもこうしたケガは、ぶつけた直後のレントゲンでは、はっきり写らないことがあります。
数日から2週間ほどたって撮り直すと分かったり、CTやMRIの検査で見つかったりすることも、めずらしくありません。
つまり「一度レントゲンで異常なし」と言われても、それだけで骨にまったく問題がないと言い切れるわけではないんです。
そして大切なことをひとつ。
高いところから落ちた・飛び降りたあとの痛みは、まず骨折の確認が最優先です。
かかとの骨は、着地の衝撃で傷めやすい骨だからです。
転落のあとに痛みが出た場合は、自己判断せず、最初に医療機関でレントゲンを撮ってもらってください。
そして痛みが続くようなら、数日おいての再検査や、CT・MRIでの検査についても相談してみてください。
そのうえで「異常なし」と言われてからが、この記事の出番です。
ご自宅でできる確認は「痛みの場所」です
ご自宅では、むずかしいチェックは必要ありません。
どこを痛がっているかを、落ち着いて確認してみてください。
・かかとの下(地面につく面)が痛いのか
・かかとの後ろ(アキレス腱の付け根あたり)が痛いのか
・かかと全体がズーンと痛いのか
痛む場所によって、疑われるものや気をつけることが変わってきます。
受診するときにも「ここを押すと痛がります」と伝えられると、診察がスムーズになります。
あわせて、次の点も見てあげてください。
・腫れているか、左右で見た目に差があるか
・体重をかけられるか、歩けるか
・日ごとに痛みが強くなっていないか
そして、次のような場合は様子を見ずに、すぐ医療機関へ行ってください。
・痛くて歩けない、足をつけない
・腫れが強い、見た目に変形がある
・足のしびれや、力が入らない感じがある
・(お子さんの場合)足をつきたがらない、歩きたがらない、片足をかばって歩く
様子を見る目安は「3〜4日」です
「様子を見ましょう」と言われても、何日見ればいいのか分からない。
これも、よくいただくご質問です。
私が患者さんにいつもお伝えしている目安は、3〜4日です。
3〜4日、運動を控えて安静にして様子を見る。
それでも痛みが変わらないとき、またはその間に悪化してくるときは、医療機関を受診してください。
一度「異常なし」と言われていても、痛みが続くなら、もう一度相談していいんです。
とくにお子さんで、高いところから落ちたあとの痛みが続くときは、「前に異常なしと言われたから」で終わりにしないでください。
時間をおいて撮り直すことで分かることもありますし、当院のような接骨院で、骨以外の状態(筋肉・腱・体の使い方)を一緒に確認していくこともできます。
湿布の正しい使い方
「湿布はもらったけど、いつ、どこに、どう貼ればいいのか説明がなかった」。
今回のご相談でも、一番困っていらっしゃったのがこれでした。
基本の考え方をまとめます。
・貼る場所は、痛みを感じるところに直接でかまいません
・多くの湿布は、貼ってからおよそ4〜6時間で薬の成分が吸収されます
・ただし「1日1回」タイプ(およそ24時間効くもの)などもあるので、貼り替える時間と1日の回数は、お使いの湿布のパッケージの用法に従ってください
・痛みがある間は、昼でも夜でも貼っていて大丈夫です
・大きくて貼りにくい場合は、ハサミで切って使ってもかまいません
それから、よく聞かれる「冷湿布と温湿布の違い」について。
実は、冷たく感じる成分(メントール)か、温かく感じる成分(トウガラシ由来のカプサイシンなど)かの違いが中心で、痛みに働く成分は大きく変わらないものが多いんです。
ひんやりする感じが苦手なら温感タイプでも大丈夫、というくらいの捉え方でかまいません。
肌がかぶれたときは、無理をせず使用を中止してくださいね。
動かしていいの?の考え方
「全く動かさないほうがいいのか、動かしていいのか分からない」。
これも判断に困るところだと思います。
基本の考え方は、痛みが出る動きは控えるです。
学校への行き帰りなど、生活に必要な範囲で歩くことまで禁止する必要はありません。
ただ、走る・跳ぶなどかかとに体重がドンとかかる運動は、痛みがある間は控えたほうが、結果的に早く回復に向かいやすくなります。
部活動をどこまで休むか、いつから再開するかは、状態によって変わります。
ここは自己判断せず、医療機関や当院のような専門家と相談しながら決めていくのが安心です。
まとめ
・「異常なし」=「骨の形に異常がない」ということ。骨挫傷や軟骨・筋肉の炎症は、レントゲンに写りにくい
・転落・飛び降りのあとの痛みは、まず医療機関で骨折の確認を
・自宅では「痛みの場所・腫れ・歩けるか」を確認
・様子見の目安は3〜4日。変わらない・悪化するなら受診
・湿布は痛い場所に、4〜6時間目安で交換。回数はパッケージに従う
「異常なし」と言われたのに痛みが続くと、親御さんは判断材料がないまま、不安だけが残ってしまいます。
この記事が、その判断のひとつの目安になればうれしいです。
かかとの痛みが長引いている、どこまで動かしていいか迷っている。
そんなときは、無理せず、まずはお気軽にご相談ください。
(鍼師・灸師・あんまマッサージ指圧師・柔道整復師 星野泰隆監修)
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