膝の裏の腫れが引かない・繰り返す|ベーカー嚢腫で膝より先に股関節を見る理由と当院の考え方

リビングでしゃがみかけて膝の裏に手を添え違和感を気にする女性のイメージ

この記事の要約

膝の裏が腫れて、しゃがむと何か挟まっているような感じがする方へ。
病院でベーカー嚢腫と言われたけれど、湿布とサポーターで変わらない、というご相談をいただきます。

ベーカー嚢腫は、膝の裏にある袋に関節液が溜まって膨らんだものです。
当院では、腫れている膝だけを見るのではなく、膝より先に股関節や足首の動きを見ています。

体の歪みで片足に負担が偏ると、膝の裏で交差する筋肉の緊張が強くなります。
その緊張が膝への刺激になり、裏の袋に関節液が溜まりやすくなる、と私は考えています。

当院では、体を整えて足首と膝と股関節の動きを揃え、鍼とテーピングで膝の負担を減らします。

家では、揉まない、無理に曲げない、しゃがむ姿勢と正座とサンダルを避けることをお勧めしています。

※動画は現在編集中です。もう少しお待ちください。

今回のテーマは、膝の裏の腫れが引かない・何度も出る方のご相談です

ベーカー嚢腫で来院される方には、いくつかの共通することがあります。
よくいただく言葉
・膝の裏が腫れていて、何か挟まっている感じがする
・歩く時はあまり気にならないが、しゃがむと膝の裏に違和感がある
・立ち座りで膝の裏に違和感がある
・膝が曲がりにくい、または伸びにくい
・病院でベーカー嚢腫と言われて湿布をしていたが変化がわからない

来院前によく聞く不安
・だんだん大きくなっている感じがするので、大丈夫なのか
・同じような状態で手術をした人を知っているので、不安
・しゃがむと痛いので、このまま歩けなくなるのではないか
・いつから腫れていたのかわからず、何もしてこなかった

それまでの対処
対処方法として、湿布を貼ったりサポーターをつけたりという方が多いです。
いつの間にか腫れていた、という方も意外といらっしゃいます。

膝の裏が腫れているのに気づかず、そのまま過ごしていたそうです。

それでは、まず、膝の裏で何が起きているかからお話しします。

ベーカー嚢腫とは、膝の裏の袋に関節液が溜まったものです

膝の中の水と、膝の裏の袋
膝の関節の中には、関節液という潤滑油のような液体が入っています。
膝の裏側には、この関節とつながった小さな袋があります。

膝の中で関節液が増えると、その袋に流れ込みます。
流れ込んだ液は戻りにくく、袋が膨らんだものがベーカー嚢腫です。

いわゆる「膝に水が溜まる」は膝の前側やお皿の上に溜まる話で、ベーカー嚢腫は膝の裏の袋の話です。
場所は違いますが、どちらも膝の中で関節液が増えていることが元にあります。

詳しくは、こちらの記事に書いています。

膝の水は抜くと癖になる?|何度も溜まる本当の理由と、溜まりにくくする考え方
マメと同じように腫れてきます
私は患者さんに、手のマメと同じです、とお話ししています。
同じ場所に頻繫に負担がかかると、体はそこを守ろうとして腫れてきます。

小さいうちは、気にならないことが多いです。
中に溜まって大きくなると、曲げた時に引っ掛かって痛んだり、曲げにくくなったりします。

膝の裏は、筋肉が交差する場所です
膝の裏では、ふくらはぎの筋肉と太ももの裏の筋肉が交差しています。
ベーカー嚢腫の袋は、ちょうどこの2つの筋肉の間にあります。

なぜ膝の裏が腫れるのか

負担の偏りが、膝への刺激になる
体が歪んで片足に負担が偏ると、膝の裏で交差する筋肉の負担が大きくなります。
負担が大きくなると筋肉の緊張が強くなり、膝に無理がかかります。

この緊張が膝への刺激になり、関節液が増えて裏の袋に溜まりやすくなる、と私は考えています。
腫れは結果で、元は膝にかかる負担の偏りにある、ということです。

膝より先に、股関節と足首を見ています
足首と膝と股関節は、3つで足のクッションになっています。
どれか1つの動きが悪くなると、残りの2つに負担が回ります。

足首と股関節が膝の腫れに関わる話は、こちらの記事にも書いています。

転倒して膝を強打して腫れた|水がたまっていなくても腫れる理由と、足首・股関節との関係

膝の裏が腫れている方を検査すると、膝より先に股関節の動きの悪さが出ていることが多いです。
股関節が動きにくい側の足に重心が乗りやすくなり、その膝に負担が偏ります。

膝の変形がある方は、股関節や足首の動きも小さいことが報告されています。
股関節や足首の動きが悪いことは、膝に無理がかかる元になると私は考えています。

反対に、股関節や足首の動きが良くなれば、筋肉の緊張が減ります。
緊張が減れば膝への刺激も減り、腫れが引きやすい状態になるというのが私の見立てです。

変形性膝関節症との関係
健康な膝関節と変形性膝関節症の膝関節を比較した解説イラスト。軟骨や半月板のすり減りを図示している
大人のベーカー嚢腫は、変形性膝関節症や半月板の傷など、膝の中に元の問題があって起きるものが大半だと言われています。
中でも、変形性膝関節症のある方に多く見られます。

膝の軟骨はクッションです。
衝撃が繰り返しかかると少しずつ減り、骨の変形も進みます。

減った軟骨と変形した骨は、戻りません。
なので、負担を減らしてこれ以上ひどくならないようにすることが大事です。

変形は、負担がかかり続けた結果です。
私は、膝の変形も体の歪みの証明のようなものだと考えています。

検査で見ること

当院では、まず次の5つを見ます。

・立ってしゃがむ(左右どちらが曲がりにくいか、どうかばっているか)
・立って体をひねる(左右の差)
・仰向けで股関節を曲げる、開く(詰まる感じと、開きの抵抗の左右差)
・お腹の、股関節の前の筋肉を押した時の痛み
・うつ伏せで膝を曲げた時のかかとの高さ(骨盤の傾きと足の長さの左右差)

このほかにも様々な検査で、状況をチェックしていきます。

股関節の開きや曲げは、ご本人にも左右の差が分かります。
片側だけ突っ張る、挟まっているような感じがする、という側があれば、その股関節の動きが膝の負担につながっていると私は考えています。

仰向けの患者さんの膝を曲げて股関節の動きを確かめる院長

当院の施術

体を整えて、足の軸を揃える
横向きに寝た患者さんの膝を曲げて股関節の動きを整える院長
当院では膝関節だけでなく、体全体を整えて、足首と膝と股関節の動きを揃えます。
足の軸が揃うと、膝の裏で交差する筋肉の緊張が変わり、血流も良くなります。

血流が良くなると、溜まった関節液も引きやすくなる、と私は考えています。
歩くことそのものが膝の負担で、歩かないわけにはいかないので、物理的に負担を減らす方法を取ります。

鍼
張っている筋肉には、鍼を使います。
筋肉の緊張をやわらげることと、痛みをやわらげることを目的に行います。

テーピング
膝の負担を減らす目的で、テープを貼ります。
貼り方は、その方の体の状態に合わせて変えています。

膝の前側に黄色いテープを貼って膝を安定させたテーピングの完成形
目安となる通院間隔
はじめは、週に1回来ていただきます。
検査で体が整ってきたことを確かめながら、2週に1回、3週に1回と間隔を空けていきます。

間隔は、症状の感じ方ではなく、検査の結果で決めています。
歪みにくい土台ができてくると、間隔を空けても安定しやすいからです。

同じお悩みの方からも、嬉しい感想をいただいています。

家でできること・避けてほしいこと

揉まない、無理に曲げない
腫れている膝の裏は、揉まないでください。
無理に曲げたり、無理に伸ばしたりすることも避けてください。

袋への刺激が増えて、腫れが強くなることがあります。
痛みのある動作はしない
しゃがむ姿勢と正座は、膝の裏を強く圧迫します。
腫れがある間は、避けてください。

ほかにも、痛みが出る動作はしないようにしてください。
痛みは、その動作が今の膝には負担だという合図です。

サンダルで歩かない
サンダルで歩くと、足にかかる負担が大きくなります。
足の負担は膝にも回るので、腫れがある間は避けてください。

不安な時は、まずご相談ください

・腫れがだんだん大きくなっている
・膝が伸びない、曲がらない
・痛くて歩けない

こういう時は、様子を見るより先に一度ご相談ください。
検査をして体の状態を確かめ、病院で診てもらう必要があると判断した時は、こちらから医療機関をご紹介します。

症状によっては、医師の診察が必要な場合があります。

3日たっても変わらない時は

腫れは、膝に負担がかかっている結果です。
なぜ負担がかかるのかを検査で確かめて整えることが、いちばん大事だと私は考えています。

気になる時には、なるべく早いご確認をお勧めします。
目安は、3日たっても痛みが変わらない、または悪くなっている感じがある時です。

膝だけでなく、股関節と足首を一緒に見ることで、早期解決につながることがあります。

膝の痛みについての当院の考え方は、こちらにまとめています。

今治市で膝の痛みが良くならない方へ|膝だけを見ない当院の考え方

無理せず、まずはお気軽にご相談ください。

(はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師・柔道整復師 星野泰隆監修)

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この記事の要点

・ベーカー嚢腫は、膝の裏の袋に関節液が溜まって膨らんだもの。膝の前側の「水」とは場所が違う
・腫れは膝に負担がかかっている結果。膝の裏で交差する筋肉の緊張が刺激になると私は考えている
・足首と膝と股関節は3つで足のクッション。膝より先に股関節の動きの悪さが出ていることが多い
・大人のベーカー嚢腫は、変形性膝関節症のある方に多い。減った軟骨と変形した骨は戻らないので、負担を減らすことが大事
・当院では、体を整えて足の軸を揃え、鍼とテーピングで膝の負担を減らす
・家では、揉まない、無理に曲げない、しゃがむ姿勢と正座とサンダルを避ける
・腫れが大きくなる、伸びない曲がらない、痛くて歩けない時は、まずご相談ください
・3日たっても痛みが変わらない、悪くなる感じがあれば、早めにご相談ください

この記事を書いた人

星野鍼灸接骨院 院長 星野泰隆今治市で星野鍼灸接骨院の院長をしている星野泰隆です。
はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師・柔道整復師の4つの国家資格を持っています。

1994年にこの道に入り、2004年7月に開業しました。
痛む場所だけを診るのではなく、体全体の負担を見て、回復しやすい状態に整えることを大切にしています。

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