この記事の要約
マッサージや整体でほぐしてもらうと、その時は楽になる。
でも数日たつと、また同じところが痛くなってくる。
そんな繰り返しになっている方に知っていただきたいのは、痛い場所と、痛みの原因になっている場所は違うことがあるということです。
この記事では、右側の腰痛を繰り返していた40代女性の初診の様子から、その理由と当院の見立てをお伝えします。
この記事の要点
・痛い場所と、痛みの原因になっている場所は違うことがある
・悪くなってからの期間が長いほど、その傾向は強くなる
・ほぐして楽になってもすぐ戻るのは、原因が別の場所に残っているため
・ストレスは心の負担だけでなく、気温の変化や寝不足など体への負担も含まれる
・脚のしびれや脱力、発熱を伴う痛みは医療機関へ
この記事を書いた人
今治市で星野鍼灸接骨院の院長をしている星野泰隆です。
鍼師・灸師・あんまマッサージ指圧師・柔道整復師という4つの国家資格を持ち、20年以上にわたって地域の皆さまの体のお悩みに向き合ってきました。
痛む場所だけを診るのではなく、体全体の負担を見て、回復しやすい状態に整えることを大切にしています。
座っていても立っていても、腰に疲労が溜まってくる
今回ご紹介するのは、座る時間の長いお仕事をされている40代女性です。
右側の腰に、疲労が一点に溜まってくるような感じがあり、座っていても立っていてもだんだんしんどくなる。
姿勢を保つのがつらくなって、横になるとようやく楽になる。
そんな状態が続いていたところ、数日前から急に痛みが強くなりました。
歩いていると瞬間的な痛みが走り、息が詰まって立ち止まるほど。
お仕事も休まなければならなくなり、夜は痛みで目が覚める日もありました。
若い頃から肩こりも重く、体がキュッと固まって緩められない感覚を、ずっと抱えてこられた方です。
ほぐすと楽になるのに、また戻る
これまでも、温めたり、マッサージ機を使ったり、ピラティスに通ったり、ご自身なりの対処を続けてこられました。
ほぐし系の整体にも通われていて、揉んでもらうとその時は楽になる。
でも数日すると、また同じようにしんどくなってくる。
このほぐす、楽になる、また戻る、の繰り返しから抜け出せないことが、一番のお悩みでした。
本当は、体を動かす元のお仕事に戻りたい。
そんな想いも伺いました。
揉むことそのものが悪いわけではありません。
強さと効き目の関係は、こちらの記事にまとめています。
マッサージは強いほど効く?「気持ちいい」と「効く」は別のものです
検査で分かったこと|痛いのは右、動きが悪いのは左
体の動きを一つずつ確認していくと、はっきりした左右差がありました。
痛みが出ているのは右側。
ところが、動きが悪くなっていたのは、痛くない左側でした。
この左の動きの悪さが原因となって、右が代わりに頑張って動く。
その負担が積み重なって、右側に痛みが出ている状態と考えられました。
さらに、首が上を向きにくくなっていたのですが、その原因も首ではありませんでした。
首から離れた、背中のポイントを整えると、上を向く動きがその場で変わったのです。
ご本人も「全然違う」と驚かれるほどの変化です。
このように、痛い場所と原因の場所は違うことがあります。
そして、悪くなってからの期間が長いほど、このずれは大きくなりやすいのです。
ほぐして楽になってもすぐ戻っていたのは、痛い右側だけを緩めても、左側や背中の問題がそのまま残っていたから。
そう考えると、繰り返しの理由に説明がつきます。
緊張の元はストレス|心の話だけではありません

※写真はイメージです
では、なぜ体はそこまで緊張して固まってしまうのでしょうか。
鍵になるのがストレスです。
ストレスというと心の負担を思い浮かべますが、それだけではありません。
気温の変化、寝不足、食生活の乱れ。
こうした体にかかってくる負担は、すべて体にとってのストレスです。
そうした負担を受けても体をいい状態に保とうとして、自律神経が頑張り続けます。
緊張すると肩に力が入ったり、手に汗を握ったりしますよね。
自律神経が頑張り続けている体では、それと同じこわばりが抜けにくくなりやすいのです。
その緊張が続くと、体の歪みや動きの悪さにつながり、今回のような痛みとして表に出てくることがあります。
特にこの時期は、急な気温の変化そのものが体へのストレスになります。
気温差が大きいと自律神経が働きづめになり、筋肉の緊張や疲労につながりやすいと言われています。
施術と、その日の変化

この日は、首から背中の歪みを整えることから始めて、全身のバランスを調整しました。
鍼は初めてで怖いとのことでした。
なので、痛くない進め方から始めて、もし合わなければ刺さないやり方にも切り替えられることをお伝えした上で行いました。
施術の後には、その場で変化が出ています。
起き上がる時に楽に起きられて、ご本人も驚かれていました。
立って足を上げる動きも楽になり、体全体が動きやすくなっています。
もちろん、1回で全部が解決するわけではありません。
初めのうちは体が元の状態に戻りやすいため、まずは1週間ごとの調整で整った状態のベースを作り、そこから間隔を空けていく計画をお伝えしました。
あわせて、日常では足の向きを平行にして、重心のバランスを取ることを意識してもらうことにしました。
24時間ずっとは無理なので、気づいた時に戻すだけで大丈夫です。
同じパターンで、通院を終えられた方もいます
実は、同じようなパターンの男性の患者さんもいらっしゃいました。
マッサージに何度も通われていて、強く揉まれないと楽にならないと感じていた方です。
それでも、何度も同じように凝ってくる。
この方も、歪みを整えていくと体が動きやすくなり、楽になっていくのを実感されました。
継続して治療した後、今は通院を終えられています。
強く揉まれないと楽にならないと感じている方ほど、一度、原因の場所を確認してみる価値があると思います。
この場合は医療機関へ
腰痛の多くは体の使い方や緊張から来るものですが、中には早めに医療機関で確認した方がよいものもあります。
・脚のしびれや、力の入りにくさを伴う
・発熱を伴う
・安静にしていても、痛みが日ごとに強くなっていく
・転倒や強くぶつけた後から、痛みが続いている
こうした場合は無理をせず、念のため医療機関でも相談しておくと安心です。
まとめ
痛い場所と、痛みの原因になっている場所は違うことがあります。
ほぐして楽になってもすぐ戻る時は、原因が別の場所に残っているのかもしれません。
何度も繰り返す腰痛でお困りの方は、無理せず、まずはお気軽にご相談ください。
腰痛がなかなか良くならない理由と、当院の考え方は、こちらのページにもまとめています。
(鍼師・灸師・あんまマッサージ指圧師・柔道整復師 星野泰隆監修)
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