「運動会の練習で足裏が痛くなったけど、しばらく休めば治るよね?」
「部活を数日休んだら痛みが引いたのに、また始めたら痛くなった…」
「足裏が痛いのに『痛みに慣れれば大丈夫』って先輩に言われたけど本当?」
こんな経験、ありませんか?
私の治療院でも、部活や運動会練習で足の裏を痛めた小中学生とその保護者の方が多く来院されます。
でもご安心ください。
この記事では、足の裏の痛みの本当の原因と、安静だけでは治らない理由、そして自宅でできる効果的な改善方法をお伝えします。
「安静にしていれば自然に治るでしょ?」
そう思われるかもしれません。
実は、足の裏の痛みは、安静だけでは根本的な解決にならず、ふくらはぎの硬さを解消することが最も効果的なんです。
その見分け方と、正しい対処法について詳しく解説していきます。
※動画は現在編集中です。もう少しお待ちください。
はじめに:なぜ足底腱膜炎は起こるのか?
足底腱膜炎は、足裏にある腱膜が炎症を起こす疾患です。
でも実は、足裏だけが原因ではないんです。
ふくらはぎの硬さ、靴のクッション性不足、姿勢の悪さ…
これらが複合的に作用して、足底腱膜に過度な負担がかかることで発症します。
特に成長期の小中学生は、急激な運動量の増加と成長による体の変化が重なり、足底腱膜炎になりやすいんです。
なぜ安静だけでは足の裏の痛みが治らないの?
足の裏の痛み(足底腱膜炎)については、一般的に「安静にして様子を見る」と言われています。
実は、安静だけでは表面的な対処はできても、根本原因はそのまま残ってしまいます。
安静にすると一時的に楽になっても、ふくらはぎの硬さが改善されていないため、また同じように足の裏の痛みが再発してしまうんです。
◉足の裏の痛みの本当の原因
足の裏の痛みの本当の原因は、実は「ふくらはぎの硬さ」にあります。
【足の裏とふくらはぎのつながり】
ふくらはぎの筋肉は、アキレス腱を通じて足の裏の腱膜(足底腱膜)とつながっています。
ふくらはぎが硬くなると、常に足の裏が引っ張られた状態になることが分かっています。
この状態で運動を続けると、以下のメカニズムで足の裏に痛みが発生します:
1.ふくらはぎの筋肉が硬くなる
部活や運動会練習で疲労が蓄積すると、ふくらはぎの筋肉が硬くなります。
2.足の裏が常に引っ張られる
硬くなったふくらはぎが、アキレス腱を通じて足の裏を引っ張り続けます。
3.炎症と痛みが発生
引っ張られ続けた足の裏に微細な傷ができ、炎症を起こして痛みが出ます。
実際に、当院に来られる患者さんの多くが「安静にしていた時は痛くなかったのに、運動を再開したらすぐに痛くなった」とおっしゃいます。
◉姿勢と足の裏の痛みの深い関係意外に思われるかもしれませんが、普段の姿勢が悪いと足の裏の痛みも起こりやすくなります。
猫背や前かがみの姿勢が続くと、重心が前に移動してつま先に体重がかかりやすくなり、足の裏に負担をかけてしまいます。
実は足の向きで体の重心が変わり、姿勢に影響することが分かっています。
足先が外を向いていたり内側を向いていたりすると、体全体のバランスが崩れ、結果として姿勢が悪くなってしまうんです。
そこに部活動や運動会練習の負荷が加わると、体はさらに負担を感じ、足の裏の痛みとして症状が現れるんです。
足の裏の痛みの根本改善には正しい姿勢の維持が不可欠です。
足の裏の痛みが再発する本当の理由
多くの方が経験されるのが「安静にしていたら痛みが引いたのに、運動を再開したらまた痛くなった」というパターンです。
これは決して「治っていなかった」わけではありません。
1. 安静で炎症は治まる
数日から1週間の安静で、足の裏の炎症は確かに治まります。
痛みも和らぎ、「もう大丈夫」と感じるでしょう。
2. でもふくらはぎの硬さは残っている
安静にしていても、ふくらはぎの硬さは自然には改善しません。
むしろ、動かさないことでさらに硬くなってしまうことも。
3. 運動再開で再び引っ張られる
運動を再開すると、硬いままのふくらはぎが再び足の裏を引っ張り始めます。
まだ完全に回復していない足の裏に負荷がかかり、すぐに痛みが戻ってしまうんです。
4. 「また痛くなった」の繰り返し
この繰り返しが「足の裏の痛みがなかなか治らない」と感じる大きな理由です。
こんな症状があるときは早めにご相談を
部活や運動を休むべき症状
小中学生の成長期には、無理をすると将来にも影響する可能性があります。
以下のような症状がある場合は、部活動や運動を一時的に休んで、専門家にご相談ください。
・朝起きた時の激痛が続く:起床時の痛みが1週間以上続く場合
・安静時にも痛みがある:座っている時や寝ている時にも痛む場合
・足裏が腫れている:明らかな腫れや熱感がある場合
・歩き方が変わってきた:痛みをかばうような歩き方になっている場合
これらの症状は、単なる疲労ではなく炎症が進んでいるサインです。
早めの適切な対処で、悪化を防ぐことができます。
足の裏の痛みを改善する具体的な方法
それでは、ふくらはぎの硬さを解消するセルフケアをお伝えします。
足の裏の痛みの改善には、ふくらはぎの硬さを解消することが最も重要です。
小中学生でも安全にできる方法をご紹介します。
◉足裏側からふくらはぎのマッサージ(右足の場合)
【やり方】
1. 左膝の上に右足首を乗せます
椅子に座って、右足首を左膝の上にのせてください。
2. ふくらはぎの骨の内側に指を置きます
ふくらはぎの骨(すねの骨)の内側に、指を軽く置きます。3. 足首をゆっくり足の甲側に動かします
指で押さえたまま、足首をゆっくりと足の甲側に曲げます。
4. 指をおいたところでふくらはぎの筋肉がマッサージされます
筋肉を指で押さえながら足首を動かすことで、優しく引き伸ばすことができます。
5. 指を少しずつずらしながらマッサージしていきます
同じ動作を、指の位置を少しずつずらしながら繰り返します。
◉足指のマッサージ(座って行います)
【やり方】
1. 膝の上に足首を乗せます
椅子に座って、マッサージしたい方の足首を膝の上に乗せます。
2. 足の指と足の甲を持ちます
指先ではなく、指の根元をしっかりと持ってください。
3. 指をぐるぐる回すように動かします
指の根元を持って、ゆっくりと回すように動かします。
指を持つ場所は、指先ではなく根元を持って動かすと、関節が動きやすくなります。4. 親指から小指までそれぞれの指をほぐしていきます
全ての指に対して同じ動作を行ってください。
【注意事項】
それぞれのマッサージを行うと、コリコリ音が鳴ったり関節がカクカクと動いたりするように感じることがあります
関節が硬くなっている場合になりやすいので、痛みがなければそのまま続けてみてください
痛みが強くなる場合は無理をせず、範囲を小さくして行ってください
個人差がありますので、ご自身の体調に合わせて調整してください
気持ちいい程度の強さで行うことが大切です
再発を防ぐ!日常生活での予防法
足の裏の痛みを再発させないためには、日常生活でのちょっとした心がけが重要です。
小中学生の保護者の方にもお手伝いいただきたい内容をまとめました。
まず1つ目として、毎日のふくらはぎケアを習慣化することです。
お風呂上がりには、今回ご紹介したセルフケアを短時間でも続けていただくことが大切です。
また、部活動や運動の前後には、しっかりとウォーミングアップとクールダウンを行い、疲労を溜めない休養計画を立てることも重要になります。
2つ目として、正しい姿勢の維持を心がけることです。
普段から猫背にならないよう意識し、歩く時や立っている時には重心を足裏全体で支えるようにしてください。
最近では小中学生でも体幹トレーニングを取り入れる学校が増えており、姿勢改善に効果的です。
3つ目は、適切な運動負荷管理です。
成長期の小中学生は特に、急激な練習量増加は足の裏の痛みを引き起こしやすくなります。
痛みが出始めたら無理をせず早めに休むこと、そして代替となる軽い運動やトレーニングを活用することで、完全に運動を止めることなく回復を促すことができます。
最後に、靴とインソールの定期的なチェックです。
成長期のお子さんは足のサイズが変わりやすいため、3ヶ月から6ヶ月ごとに靴の状態とサイズを確認していただくことをおすすめします。
また、スポーツ用のインソールを活用することで、足への負担を軽減できます。
足の痛みを改善するための靴についてはこちらのブログをご覧ください。
まとめ:足の裏の痛みを放置するリスクと正しい対処法
足の裏の痛みについて、安静だけでは治らない理由とふくらはぎの硬さを解消する根本的な改善方法をご紹介しました。
多くの方が「安静にしていれば自然に治る」と考えがちですが、実は根本原因であるふくらはぎの硬さが残っていると、運動を再開した時にまた同じ痛みが戻ってしまいます。
今回お伝えした2つのセルフケア方法を継続していただくことで、足の裏の痛みの根本的な改善が期待できます。
そして、日々の姿勢と運動負荷の管理にも意識を向けることで、再発を防ぐことができます。
ただし、朝起きた時の激痛が1週間以上続く場合や、安静時にも痛みがある場合は、単なる疲労ではなく炎症が進んでいるサインです。
このような症状がある場合は、無理をせずに早めに専門家にご相談ください。
「このまま部活を続けていいのか不安…」
「大会に間に合うか心配…」
そんな時は、一人で悩まずにご相談ください。
(鍼灸師・あんまマッサージ指圧師・柔道整復師 星野泰隆監修)
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