「ラケットを振ると肩が痛くて、思いっきり打てない」
「上からのサーブが痛みで打てない」
「病院では骨にも筋肉にも異常なしと言われたのに、痛みが取れない」
こんなお悩み、ありませんか?
テニスをしていて肩の痛みが出てしまい、思うようにプレーできない。
大会が近いのに、このまま出られないのではないかと不安が大きくなる。そんな思いを抱える方は少なくありません。
当院にも、「ボレーは大丈夫だけど、上から打つサーブが痛みで打てない」「病院では原因がわからず、この先どうなるのか不安」とおっしゃる学生さんが来られます。
この記事では、ラケットを振ると肩が痛くなる背景と、当院での対応をお伝えします。
実は、肩の痛みの原因が肩そのものではなく、肘や手首の動きにあるケースは少なくありません。
そして、もう一つ伝えたい大事なことがあります。
それは「いつもの痛み」を放置していると、ある日突然動けなくなることがある、ということです。
今回のテーマ
今回のテーマは、大会が近い時期に、ラケットを振ると肩が痛くて、上からのサーブが打てない、というご相談です。
テニスをしている学生さんの中には、「病院でも原因がわからないと言われたから、なおさら不安」というお気持ちで来られる方もいらっしゃいます。
もうすぐ大会があるのに、出られないかもしれない。
その不安が一番大きい、とおっしゃる方もいます。
痛みの経過と、これまでの対処
詳しくお話を伺うと、次のような経過をたどっている方がいらっしゃいます。
はじめてラケットを振った時に肩の痛みが出てきて、安静にしていたら1週間ほどで痛みは消えた。
ところが、練習を再開するとまた痛みが出る。
今回も休めばすぐに痛みは引いたものの、腕の重い感じや張り感はずっと続いている。
そして、練習中にラケットを振った瞬間、急に強い痛みが出てラケットが振れなくなってしまった。
病院で検査を受けたところ、骨にも筋肉にも異常はないとの診断で、湿布と痛み止めをもらった。
それでも、上から振る動作の痛みは続いている。
下からならラケットを少し振れても、上から振る動作の痛みは変わらない。
日常生活でも腕を上げにくく、着替えなども辛い、という方もいらっしゃいます。
「病院でも原因がわからないと言われた。じゃあ、何が悪いんだろう」
そんな思いを抱えて来られる方が少なくありません。
特に、もうすぐ大会があるという状況では、「原因がわかって、きちんと対応したい」というのが一番の願いになります。
当院で検査してみたら、肩だけの問題ではないことがあります

検査をすると、次のようなことが確認できる場合があります。
腕を上げると肩に痛みが出る。ただそれだけではありません。
手首と肘の関節の動きにも制限がある場合があります。
腕を回す動作も、左右で大きな差が出ていることがあります。
つまり、肘の関節の細かい滑り運動や遊びの動きに異常があり、本来あるべきスムーズな動きができていない状態になっていることがあります。
加えて、手首の動きにも問題が見られることがあります。
これらが原因で、腕を上げる時に使う筋肉群がうまく働かず、その負担が肩に集中して痛みを起こしている、と私は考えています。
ご本人は「肩が痛い」と感じていても、体は「問題は肘と手首にある」というサインを出していることがあるんです。
なぜ肩の痛みにつながるのか
詳しくお話を伺うと、以前からボールに回転をかけるプレーが得意で、かなり腕を捻るような振り方をしている、という方がいらっしゃいます。
この打ち方が悪いわけではありません。
ただ、繰り返すことで、腕の疲労が少しずつ蓄積し、関節への負荷も積み重なっていくことがあります。
その流れを簡単に説明すると、こうなると私は考えています。
1. 手首と肘の使いすぎで、関節の細かい動きに制限が出る
回転をかける打ち方は、手首と肘をよく使います。
繰り返すうちに、関節の細かい滑り運動や遊びの動きに少しずつ制限が出てきます。
2. 肘と手首の動きが悪くなると、肩で補おうとする
本来、腕を振る動作は手首・肘・肩が連動して行われます。
肘や手首の動きが制限されると、その分の動きを肩が補おうとして、肩に余計な負担がかかります。
3. 肩への負担が続くと、ある日突然動けなくなる
最初は「いつもの違和感」「練習後の疲れ」くらいに感じる痛みも、負担が積み重なると、ある日突然「ラケットが振れない」という形で限界が来ることがあります。
つまり、「肩の痛み」の原因が肩にあるとは限らないということです。
肘や手首の状態が、肩に影響を与えていることがあるんです。
「いつもの痛み」は本当に同じなのか

ここで、同じような経過をたどる方に大事なことをお伝えしたいです。
最初の痛み、再発、そして急な悪化、と段階的に痛みを繰り返す方がいらっしゃいます。
その間、ご本人にとってはおそらく「いつもの痛み」だったはずです。
人間は臆病なので、急な痛みには不安になります。
一方で、「いつもの痛み」には、あまり不安を感じません。
これは「慣れによる不安の減退」もありますが、もっと大事なことがあります。
それは、「いつもの痛み」を、だいたい同じ=変わらないものとして認識してしまう方がいらっしゃることです。
「昨日も今日も同じように痛い」
「強さも大体同じ」
「はいはい、いつものやつね」
そう感じてしまう。
ですが実際には、身体は常に変化しています。
年齢、運動量、ストレス、睡眠、疲労の蓄積。
こういった要素は日々変わり続けていて、その多くはプラス方向というよりも、負担として積み重なっていきます。
つまり、「同じように感じている痛み」でも、その中身は少しずつ変わっている可能性があります。
子どもの身長が伸びていることに、毎日一緒にいる親は気づかない。
それと同じです。
ここを見落とすと、「変わっていないつもりで、実は中身が悪化し続けている状態」を放置することになります。
そして、ある日突然、「ラケットが振れない」という形で限界が来ることがあります。
当院での対応
当院では、肩だけでなく肘と手首、そして体全体のバランスを整える施術を行います。
手首と肘の関節の動きを整える
手首と肘の関節の細かい動きに制限が出ているときは、関節の遊びや滑りを作り、本来あるべき正常な動きが出ることを目指して整えます。
腕の動きを肩と連動させる
整えたあとに腕を挙げていただき、検査のときと動きがどう違うかを確かめます。
施術の前と後で動きの違いを実感される方もいらっしゃいます。
姿勢と肩甲骨の動きを整える
検査で背骨の歪みが見られるときは、姿勢を整えて、肩甲骨が動きやすい状態を目指して調整します。
大会が近いときの進め方の目安
大会が近いときは、計画的に進めます。
1週目
今までの炎症を引かす目的で、ラケットを使わないようにお伝えします。
2週目
週2回の施術を目安にします。
3週目
週1回で、大会に向けて進めます。
4週目以降
大会後も1回、その後は2週間に1回、3週間に1回と間隔をあけながら、大会で勝ち上がって負担が増えた時にも対応できるように、定期的に施術します。
同じお悩みの方からも、嬉しい感想をいただいています。
同じような症状でお悩みの方へ
肩の痛みは、肩そのものに原因があるとは限りません。
今回のように、肘や手首、姿勢など体の他の部分が、肩に負担をかけていることは少なくありません。
そして、もう一つ大事なこと。
何度か同じような痛みを繰り返している場合、その「いつもの痛み」は、知らないうちに少しずつ悪化している可能性があります。
ある程度の年齢を過ぎると回復力はそれ以上は上がらず、何もしなければ少しずつ下がっていくのが自然だと、私は考えています。
「今の状態のまま」を放置することは、未来も同じ状態が続くという意味ではなく、ゆっくりと悪化していくということだと、私は考えています。
何度か同じような状況を繰り返すときは、早めに体の状態を確かめることが大切です。
まとめ
今回は、ラケットを振った際の肩の痛みについて、肘や手首、姿勢との関係と、当院での対応をお伝えしました。
重要なポイントは:
・肩の痛みの原因が肩にあるとは限らない(肘と手首の動きが関わっていることがある)
・「いつもの痛み」を繰り返している時こそ要注意。痛みの強さが同じでも、体の中では負担が積み重なっている可能性がある
・姿勢や体全体のバランスを整えることを、当院では大切にしている
・早めの対処が、悪化を防ぐことにつながると考えている
「いつものやつ」と思わずに、繰り返す痛みは早めに相談してください。
ラケットを振った時の肩の痛み、繰り返す肩の違和感でお悩みの方、また「病院で異常なしと言われたけれど痛みが取れない」という方は、お気軽にご相談ください。
症状によっては、医師の診察が必要な場合があります。気になる症状があるときは、まず医療機関にご相談ください。
(はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師・柔道整復師 星野泰隆監修)
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