テニスで肩が痛くて上からサーブが打てない|「いつもの痛み」の放置が招いた10代学生の症例

「ラケットを振ると肩が痛くて、思いっきり打てない」
「上からのサーブが痛みで打てない」
「病院では骨にも筋肉にも異常なしと言われたのに、痛みが取れない」

こんなお悩み、ありませんか?

テニスをしていて肩の痛みが出てしまい、思うようにプレーできない。

大会が近いのに、このまま出られないのではないかと不安が大きくなる。そんな思いを抱える方は少なくありません。

私の治療院でも、「ボレーは大丈夫だけど、上から打つサーブが痛みで打てない」「病院では原因がわからず、本当に治るのか不安」とおっしゃる学生さんが来院されます。

でもご安心ください。

この記事では、今治市にお住まいの10代テニス部高校生の症例を通じて、ラケットを振ると肩が痛くなる本当の原因と、当院での改善例をお伝えします。

実は、肩の痛みの原因が肩そのものではなく、肘や手首の動きにあったケースは少なくないんです。

そして今回、もう一つ伝えたい大事なことがあります。

それは「いつもの痛み」を放置していると、ある日突然動けなくなる、ということです。

以前から気になっていた当院に、大会が近いので相談

今治市にお住まいの10代男性、テニス部の学生さんがご来院されました。

以前から院の前を通るたびに気になっていた治療院だったそうで、ホームページを調べて「ここなら相談できそうだ」と思い、来院されました。

来院前は、「1週間続けて治療に行ったのに痛みがほとんど変わらない。

本当に治るのか心配」「病院でも原因がわからないと言われたから、なおさら不安」というお気持ちだったそうです。

もうすぐ大会があるのに、出られないかもしれない。

その不安が一番大きかったとおっしゃっていました。

来院時の状態:ラケットを上から振ろうとすると痛みで止まってしまう

詳しくお話を伺うと、痛みの経過は次のようなものでした。

昨年の10月頃、初めてラケットを振った時に肩の痛みが出てきたそうです。

その時は安静にしていたら、1週間ほどで痛みは消えました。

ところが年明けの練習で再発。

今回も休めばすぐに痛みは引いたものの、腕の重い感じや張り感はずっと続いていたそうです。

そして3週間ほど前、練習中にラケットを振った瞬間、急に強い痛みが出てラケットが振れなくなってしまいました。

病院で検査を受けたところ、骨にも筋肉にも異常はないとの診断。

湿布と痛み止めをもらい、鍼治療も受けたそうですが、上から振る動作の痛みは取れないままでした。

日常生活でも腕を上げられないので、着替えなども辛い状態です。

これまでの対処と悩み:「治るのか心配」という不安

これまで試したのは、病院での湿布と痛み止め、そして鍼治療。

下からならラケットを少し振れるようにはなったものの、上から振る動作の痛みは変わらない。

「1週間続けて治療に通っても痛みが変わらないのに、本当に治るんだろうか」
「病院でも原因がわからないと言われた。じゃあ、何が悪いんだろう」

そんな思いを抱えながらの来院でした。

特に、もうすぐ大会があるという状況。「原因がわかって、治療したい」というのが本人の一番の願いでした。

当院で検査してみたら、肩だけの問題ではなかった

検査をしたところ、次のことが確認できました。

腕を上げると肩に痛みが出る。ただそれだけではありませんでした。

手首と肘の関節の動きにも制限がありました。
腕を回す動作も、左右で大きな差がありました。

つまり、肘の関節の細かい滑り運動や遊びの動きに異常があり、本来あるべきスムーズな動きができていない状態でした。

加えて、手首の動きにも問題がありました。

これらが原因で、腕を上げる時に使う筋肉群がうまく働かず、その負担が肩に集中して痛みを起こしていたのです。

ご本人は「肩が痛い」と感じていたのに、体は「問題は肘と手首にある」というサインを出していたんです。

なぜ肩の痛みにつながったのか

詳しくお話を伺うと、本人は以前からボールに回転をかけるプレーが得意で、かなり腕を捻るような振り方をしていたとのこと。

この打ち方が悪いわけではありません。

ただ、繰り返すことで、腕の疲労が少しずつ蓄積し、関節への負荷も積み重なっていたのです。

その流れを簡単に説明すると、こうなります。

1. 手首と肘の使いすぎで、関節の細かい動きに制限が出る

回転をかける打ち方は、手首と肘をよく使います。

繰り返すうちに、関節の細かい滑り運動や遊びの動きに少しずつ制限が出てきます。

2. 肘と手首の動きが悪くなると、肩で補おうとする

本来、腕を振る動作は手首・肘・肩が連動して行われます。

肘や手首の動きが制限されると、その分の動きを肩が補おうとして、肩に余計な負担がかかります。

3. 肩への負担が続くと、ある日突然動けなくなる

最初は「いつもの違和感」「練習後の疲れ」くらいに感じる痛みも、負担が積み重なると、ある日突然「ラケットが振れない」という形で限界が来ます。

つまり、「肩の痛み」の原因が肩にあるとは限らないということです。

肘や手首の状態が、肩に影響を与えていることがあるんです。

「いつもの痛み」は本当に同じなのか

 

ここで、同じような経過をたどる方に大事なことをお伝えしたいです。

今回の患者さんは、最初の痛みが10月、再発が年明け、そして3週間前の急な悪化、と段階的に痛みを繰り返していました。

その間、本人にとってはおそらく「いつもの痛み」だったはずです。

人間は臆病なので、急な痛みには不安になります。

一方で、「いつもの痛み」には、あまり不安を感じません。

これは「慣れによる不安の減退」もありますが、もっと大事なことがあります。

それは、多くの方が「いつもの痛み」を、だいたい同じ=変わらないものとして認識していることです。

「昨日も今日も同じように痛い」
「強さも大体同じ」
「はいはい、いつものやつね」

そう感じてしまう。

ですが実際には、身体は常に変化しています。

年齢、運動量、ストレス、睡眠、疲労の蓄積。

こういった要素は日々変わり続けていて、その多くはプラス方向というよりも、負担として積み重なっていきます

つまり、「同じように感じている痛み」でも、その中身は少しずつ変わっている可能性が高いんです。

子どもの身長が伸びていることに、毎日一緒にいる親は気づかない。
それと同じです。

ここを見落とすと、「変わっていないつもりで、実は中身が悪化し続けている状態」を放置することになります。

そして、ある日突然、今回のように「ラケットが振れない」という形で限界が来てしまう。

施術で行ったこと

この患者さんには、肩だけでなく肘と手首、そして体全体のバランスを整える施術を行いました。

手首と肘の関節の動きを整える
手首と肘の関節の細かい動きに制限が出ていたので、関節の遊びや滑りを作り、本来あるべき正常な動きが出るように整えました。

腕の動きを肩と連動させる
整えた後に腕を挙げてもらうと、それまで全く上がらなかった腕が50%くらい上がるようになりました。

姿勢と肩甲骨の動きを整える
検査で背骨の歪みも見られたので、姿勢を整えて肩甲骨が動きやすい状態に調整しました。
すると、肩の痛みは大幅に軽減し、腕がさらに上がるようになりました。

施術計画:大会に間に合わせる

大会が近かったので、計画的に進めました。

1週目
今までの炎症を引かす目的で、ラケットを使わないように指導。

2週目
週2回の施術。

3週目
週1回で大会に間に合わせる。

4週目以降
大会後も1回、その後は2週間に1回 → 3週間に1回と間隔をあけながら、大会で勝ち上がって負担が増えた時にも対応できるように定期的に施術。

施術経過:4回目で大会に出場、上からのサーブも打てた

施術ごとの変化は次の通りです。

初回後
検査時に上がらなかった腕が、施術後に上がるようになりました。
痛みはまだ残っています。

2回目
痛みはあるものの、ラケットが上から振れるように。
50%くらいの力で振れる状態。

3回目
70%くらいの力で振れるようになり、施術後に痛みは少し残るものの、上からサーブが打てるようになりました。

4回目(大会前)
テーピングを併用して大会に参加。痛みはあったものの、上からのサーブも打てて、次の大会へと勝ち進むことができました。

主訴以外にも、元々気になっていた姿勢が改善し、「姿勢が良くなった」と周りからも言われるようになったそうです。

患者さんの声

施術を続けていく中で、患者さんからこんな言葉をいただきました。

「原因がわかってよかった」

「手首と肘だけの治療でも、腕が上がるようになるとは思わなかった」

来院前にあった「治るのか心配」という不安は、原因がわかり、回数を重ねるごとに動ける範囲が広がっていく実感とともに、少しずつ薄れていったそうです。

同じような症状でお悩みの方へ

肩の痛みは、肩そのものに原因があるとは限りません。
今回のように、肘や手首、姿勢など体の他の部分の問題が、肩に負担をかけていることは少なくないんです。

そして、もう一つ大事なこと。

何度か同じような痛みを繰り返している場合、その「いつもの痛み」は、知らないうちに少しずつ悪化している可能性が高いです。

人間、誰でもある程度の年齢を過ぎれば、これ以上回復力が上がることは基本的にありません。
何もしなければ、少しずつ下がっていくのが自然です。

「今の状態のまま」を放置することは、未来も同じ状態が続くという意味ではなく、ゆっくりと悪化していくということなんです。

何度か同じような状況を繰り返すと、症状が悪化していくことが多いので、早めの対処が肝心です。

まとめ

今治市にお住まいの10代テニス部学生の症例から、ラケットを振った際の肩の痛みの原因と改善例をお伝えしました。

重要なポイントは:

・肩の痛みの原因が肩にあるとは限らない(今回は肘と手首の動きの異常が原因)
・「いつもの痛み」を繰り返している時こそ要注意。痛みの強さが同じでも、体の中では負担が積み重なっている
・姿勢や体全体のバランスを整えることが、根本改善につながる
・早めの対処が、悪化を防ぎ復帰を早める

「いつものやつ」と思わずに、繰り返す痛みは早めに相談してください。

ラケットを振った時の肩の痛み、繰り返す肩の違和感でお悩みの方、また「病院で異常なしと言われたけれど痛みが取れない」という方は、お気軽にご相談ください。

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