「姿勢を良くしているのに、背中が凝ってくる…」
「なぜかパンパンに張って、痛くなってしまう…」
「ストレッチしても、すぐに張りが戻ってくる…」
こんなお悩み、ありませんか?
背中の張りは、長時間のデスクワークや立ち仕事で誰もが経験する症状です。
私の治療院でも、「姿勢を良くしているのに、なぜか背中がパンパンになってしまう。なぜ?」という疑問を持っている患者さんや、「姿勢を良くすればいいんじゃないの?」と思っている方が多く来院されます。
でもご安心ください。
この記事では、姿勢を良くしているのに背中が凝ってしまう理由と、座ったままできる効果的な改善方法をお伝えします。
「姿勢を良くすれば、背中は凝らないでしょ?」
そう思われるかもしれません。
実は、背中の張りには股関節や腹筋、インナーマッスルといった体幹部分との深い関係があります。
そして、「姿勢を良くしてコリを予防しよう」という考え方は正しいのですが、多くの方が「姿勢が良い=背中をまっすぐ伸ばす」と誤解されているんです。
本来、背骨は自然なS字カーブを描いています。ところが背中をまっすぐ伸ばそうとすると、この自然なカーブに逆らった姿勢になってしまい、かえって背中が凝ってしまうんです。
その理由と対策を、分かりやすくまとめました。
ぜひ最後までご覧ください。
※動画は現在編集中です。もう少しお待ちください。
背中の張りと腰痛の深い関係
◉なぜ姿勢を良くしているのに背中が凝ってしまうの?
背中の張りについては、一般的に「ストレッチをすれば楽になる」「姿勢を良くすれば凝らない」と言われています。
実は、ストレッチや姿勢を良くするだけでは一時的な緩和はできても、背中が凝る根本原因はそのまま残ってしまいます。
ストレッチで一時的に楽になっても、「姿勢を良くしてコリを予防しよう」と意識することで背中の筋肉が緊張し、また同じように背中が凝ってパンパンになってしまうんです。
◉背中の張りと腰痛がセットで起こる理由
背中の張りと腰痛がセットで起こるのは、実は「姿勢を良くしようと背中をまっすぐ伸ばす」ことで体が固まってしまうことが共通の原因だからです。
背中をまっすぐ伸ばし続けることで背中と腰の筋肉が固まり、血流を悪化させて痛みを引き起こす物質が溜まることで、以下のメカニズムで背中の張りと腰痛が同時に発生します:
**1. 背中をまっすぐ伸ばすことで体が固まる**
デスクワークなどで「背筋を伸ばしてコリを予防しよう」と意識すると、背中の筋肉(特に肩甲骨周り)と腰の筋肉が常に緊張して固まった状態になり、かえって血流が悪化します。
**2. 筋肉の硬さによる痛み物質の蓄積**
血流が悪くなると、痛みを引き起こす物質(乳酸など)が筋肉内に溜まり、背中の凝りや張り、腰痛として感じるようになります。
**3. 連鎖的な筋肉の緊張**
背中が張ると、体はバランスを取ろうとして腰の筋肉をさらに緊張させます。逆に腰が痛いと、背中の筋肉が代償的に緊張してしまいます。
実際に、当院に来られる患者さんの多くが「姿勢を良くしているのに、気づくと背中も腰も辛くなっている」「どちらが先に痛くなったか分からない」とおっしゃいます。
◉体を固めた座り方が背中の張りと腰痛を悪化させる
意外に思われるかもしれませんが、「姿勢を良くしよう」と背筋を伸ばして座ることが、体を固めてしまい、かえって背中の凝りや張り、腰痛を悪化させることがあります。
背筋を伸ばして座ると、背中の筋肉(脊柱起立筋など)が常に緊張して固まった状態になり、長時間維持することで血流が悪化して、逆に凝りや張りが増してしまいます。
そこに長時間の同じ姿勢が加わると、体はさらに負担を感じ、背中の凝りや張り、腰痛として症状が現れるんです。
背中の張りと腰痛を訴える患者さんを診察すると、ほぼ全員に共通して「背中をまっすぐ伸ばして体を固めた座り方」をしていることが分かります。
体を固めてしまうことで、長時間座ることで限界を超えてしまうんです。
背中の張りを改善する座ったままできるストレッチ
◉体を柔軟に使った座り方が背中と腰を楽にする
背中の張りと腰痛の改善には、体を固めずに柔軟に使って楽に座れるようになることが重要です。
**なぜ体を柔軟に使った座り方が重要なのか**
背筋を伸ばして座ると背中と腰の筋肉が固まりますが、体を柔軟に使って座ることで筋肉が固まらず、血流が改善されます。
背中の筋肉は背骨を支える働きがあり、特に背筋を伸ばすときに緊張します。
人間の体の作りを見ると、背中は少し丸いのが自然な姿勢です。
背骨は横から見るとS字カーブを描いていて、特に胸椎(背中の部分)は後ろに向かって丸くカーブする構造になっています。
「背筋をピンと伸ばす」という姿勢は、このカーブを無理に真っ直ぐにしようとするため、背中の筋肉が常に緊張した状態になり、負担をかけてしまいます。
その中でも、骨盤の安定性がとても重要です。
骨盤が安定していると、背中と腰の筋肉は最小限の力で姿勢を維持でき、背中の本来の丸みも保ちやすくなります。
骨盤を安定させるには、座面に接する面積を広くすることがポイントです。
**力を抜いて楽に座るコツ**
体を柔軟に使って楽に座るポイントは、座面にお尻全体を広く接触させること。
特に椅子に座るときには、深く腰掛けて背もたれに軽くもたれることで、座面との接触面積が広がり、安定して座ることができます。
その結果として、背中と腰の負担が減り、筋肉が固まらずコリが出にくくなるということです。
◉座ったままできる股関節周りをほぐすストレッチ
背中の張りと腰痛を改善するためには、股関節周りの筋肉をほぐすことが効果的です。
股関節周りについているお尻の筋肉は、骨盤や背骨を安定させるためのコルセットのような働きをしています。
股関節は背骨に比べて動きの大きな関節なので、動きやすい楽な状態にすることで背骨を支えやすくなります。
背骨を楽に支えられるようになると、腰の筋肉にかかる負担が減り、背中を固めずに楽に座ることができるようになります。
写真のように赤ちゃんが座るときには、お尻全体を広く床につけて、背中は少し丸くカーブした状態で座っています。
赤ちゃんは大人と比べて筋肉が弱いですが、体を柔軟に使うことで、とても安定して楽に座っています。
大人も同じように、体を伸ばそうと固めるよりも、柔軟に使うことで背中と腰の負担が減り、筋肉が固まらずコリが出にくくなります。
体を柔軟に使って楽に座るためには、股関節の動きを良くして、骨盤や背骨が動きやすくすることが効果的です。
股関節周りの筋肉をほぐすことで、骨盤や背骨を柔軟に使えるようになり、背中を固めずに楽に座れるようになります。
**ストレッチ①:膝を押すだけ股関節ストレッチ**
椅子に座った姿勢のまま、片方の足首を反対側の膝の上にかけます。
手は乗せた方の膝の上に置いて、下方向へゆっくりと10秒間、押し下げます。
股関節の柔軟性は、腰痛と密接に関係しています。
腰が痛くなりやすい人は股関節も硬くなっている傾向がありますので、左右交互に行いましょう。
**ストレッチ②:股関節の内側から前側をほぐすストレッチ**
椅子に座った姿勢のまま、足を左右に開脚します。
両手は両膝の上に置き、つま先を少しだけ外側に開きます。
腕を曲げないように注意しながら、肩を内側へ入れるようにグイっとひねります。
1回10秒、左右交互に行いましょう。
股関節の内側から前側の筋肉がほぐれることで、骨盤が安定しやすくなり、背中の張りも楽になります。
**注意事項・安全配慮**
– 痛みが強くなる場合は無理をせず、範囲を小さくして行ってください
– 個人差がありますので、ご自身の体調に合わせて調整してください
– 気持ちいい程度の強さで行うことが大切です
こんな時は専門家にご相談を
以下のような症状がある場合は、早めに専門家にご相談ください。
セルフケアを2週間続けても改善しない場合、手足のしびれや力が入らない、日常生活に支障が出るほどの痛みがある場合は、他の原因が隠れている可能性があります。
特に、深部の筋肉の硬さや筋膜の癒着は、セルフケアだけでは改善が難しいことがあります。
そのような場合は、お早めにご連絡ください。
まとめ
背中の張りと腰痛について、座ったままできるストレッチと力を抜いた座り方を中心とした根本的な改善方法をご紹介しました。
一時的な対処療法だけでなく、座り方を改善し、背中と腰の負担を減らすことで、症状を根本から改善していくことができます。
まずは今日から、力を抜いた座り方と今回のストレッチを無理のない範囲で始めてみてください。
そして、日々の姿勢と長時間の同じ姿勢にも意識を向けることで、背中の張りと腰痛の根本的な改善が期待できます。
症状が改善しない場合は、お気軽にご相談ください。
(鍼灸師・あんまマッサージ指圧師・柔道整復師 星野泰隆監修)
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