6月に入り、中学校や高校では県総体も終わり、四国総体に向けて頑張っている学生もいらっしゃいます。
毎年この時期になると、練習や試合でケガをして足首を捻挫した方のご来院が多くなります。
中には、過去に何度も捻挫をされていたり、数ヶ月から1年以上前の捻挫がなかなか改善しない、という方もいらっしゃいます。
結論からお伝えすると、捻挫がなかなか改善しない理由は足首の不安定さからくる動きのズレが原因です。
その不安定さを解消し動きのズレを予防すれば、ケガからの復帰も早くなりますし長引く捻挫も回復してきます。
そこで今回は、足首捻挫が長引く理由について解説し、改善するための治し方をお伝えします。
ぜひ一緒に改善していきましょう!
長引く足首捻挫。原因解消のカギは足首の不安定さを防ぐこと
ケガの中でも一番多いものが足首の捻挫です。
捻挫が軽いものだと1〜2週間ほどで痛みなく動けるようになることもありますが、中には痛みが引いたと思っても運動すると再発したり何度も捻挫を繰り返したりするものもあります。
その原因になるのは、関節の動く方向がズレてしまい正しい動きができなくなることです。
関節には動作によって動く方向があり、靭帯や筋肉によって安定して正しい動きができるように調整されています。
足首を捻挫して関節をひねってしまうと、靭帯や筋肉を痛めて関節が不安定になり、正しい動作ができなくなります。
ですので、捻挫の際には傷めた関節が安定するように、包帯やテーピングで固定します。テーピングや包帯で固定すると捻挫した患部は安静にできますが、傷めた靭帯や筋肉はすぐには元に戻りません。
場合によっては、部分的に切れて元の状態よりも伸びて関節を安定させる働きが弱くなることがあります。
安定させる働きが弱くなることで動く方向がズレてしまい、正しい動きができなくなります。
これが捻挫が長引く原因です。
足首の捻挫を早く改善するには、ふくらはぎが大事です
関節のズレを防ぐことが捻挫の早い回復には必要ということをお伝えしました。
それに合わせて、関節が正しい方向に動くよう筋肉にきちんと力が入る状態にすることも大事です。
その際にとても重要な筋肉がふくらはぎ外側にあります。
足首は内側や外側にひねる動作ができますが、その動作を行う2つの筋肉が足の裏から踵の部分で交差し、足首を安定させるように働きます。
これら二つの筋肉はふくらはぎの外側にあり、この部分にきちんと力が入ることで足首が安定し、しっかりと地面を踏ん張ることができます。
ところが足首を捻挫するとこの筋肉も傷めてしまい、力が入りにくくなります。
その後、炎症が落ち着いて痛みが引いても、すぐに元のように筋肉に力が入るようになりません。
患部に負担がこないような歩き方になるため、他の筋肉で代わりをしたり、傷めた筋肉が硬くなったりして元のように働かなくなるためです。
そこで必要なのが、硬くなった筋肉を柔らかくして足首が安定する力が入るようにリハビリを行うことです。
長引く足首捻挫を早く改善させる治し方
それでは、長引く足首の捻挫を早く改善させる治し方をお伝えします。
今回は、左足をケガした場合の方法をお伝えします。
右足のケガの方は、左右を反対にして行ってください。
今回の方法を始める前に、先に立って足踏みをしてみてください。
リハビリが終わった後、足をついた感覚がしっかりしたものに変わっていると思います。
それでは、まずはふくらはぎの筋肉をほぐしていきます。
外側の筋肉とのバランスを整えるために、内側の筋肉も一緒にしていきます。
◉足裏側からふくらはぎのマッサージ
①膝の上に足首を乗せます②ふくらはぎの骨の内側に指を置きます③足首をゆっくり足の甲側に動かします
④指をおいたところでふくらはぎの筋肉がマッサージされます
⑤指を少しずつずらしながらマッサージしていきます
筋肉を指で押さえながら足首を動かすことで、優しく緩めることができます。
◉ふくらはぎ外側のリハビリ(座って行います)
①タオルを4分の1に折り、親指の付け根に指が出るように当てます②タオルを引っ張りながら親指側を下にするように足の裏に向けて伸ばします③ふくらはぎ外側の筋肉が張る感じになればOKです
◉足首の矯正(座って行います)
①足首前側で内外のくるぶしの前に両手親指を置きます②左手は足の甲で小指側の出っ張っている骨の下を持ちます
③右手は内側の骨が出っ張っているところの下を持ちます④親指で足首前側を押さえながら足首を甲側に曲げていきます。
それぞれのリハビリが終わりましたら、はじめと同じように立っていただき軽く足踏みをしてみてください。
足のうら全体がしっかりと地面について、いつもよりも安定している感覚があると思います。
まとめます。
捻挫が長引く原因は、関節の動く方向がズレてしまい正しい動きができなくなることです。
関節には動作によって動く方向があり、靭帯や筋肉によって安定して正しい動きができるように調整されています。
足首を捻挫して関節をひねってしまうと、靭帯や筋肉を痛めて関節が不安定になり、正しい動作ができなくなります。
関節のズレを防ぐことが捻挫の早い回復には必要ですので、関節が正しい方向に動くようズレを矯正し筋肉にきちんと力が入る状態にすることが大事です。
今回のリハビリを行っても捻挫がなかなか回復しない場合は、靭帯の損傷が大きかったり関節のズレが戻りにくかったりすることが考えられます。
その際は、当院までご相談ください。
(鍼灸師・あんまマッサージ指圧師・柔道整復師 星野泰隆監修)
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