ソフトバンク松本裕樹|鍼治療中にハリが折れ一部が体内に|病院で切開し除去〜鍼灸治療の安全性について

プロ野球ソフトバンクホークスの、松本裕樹投手が鍼治療を受け、鍼が折れるという医療事故があったと、報道がありました。

今回のブログでは、鍼が折れるという医療事故で考えられる原因と、僕自身の臨床経験、それに基づく鍼施術における安全性をどういう形で対策しているかについてお伝えします。

鍼治療での鍼が折れる医療事故件数について

鍼灸施術を行う中で、今回の松本選手のように体の中で鍼が折れるという事故は、海外での施術件数を含めた2000年〜2004年までの約400万件のうち、3件ほどというデータがあります。

これを数字に表すと、約0.00000075%という割合です。

ものすごく低い割合なので、通常の施術をしている限り起こることはほぼないとも言えますが、今回のように全く鍼が折れないということはありません。

鍼が折れる要因

鍼が折れるのには、いくつかの要因があります。

①鍼が劣化している
②曲がった鍼を使っている
③鍼をしている際に急に筋肉が緊張する
④鍼自体の質が悪い

といったものが挙げられます。

それぞれについて解説と、できうる対策を挙げてみます。

①鍼が劣化している

鍼が折れる要因で、まず考えられるのは古くなって劣化した鍼を使っている場合です。

鍼治療に用いる鍼は、使い捨てのものと滅菌して数回使えるものの2種類があります。

滅菌して数回使える鍼は、各個人専用に鍼を用意し、高圧蒸気滅菌器と言われる機械によって121℃で15〜20分間の加熱処理を行います。

加熱処理を行うことで、滅菌消毒ができる利点はありますが、何度も繰り返し高圧高温にさらされることにより鍼に使われているステンレスが劣化し、折れやすくなるのです。

一方で、使い捨てのものは、毎回鍼をするたびに新しい鍼を患者さんに使用します。

そのため、鍼が曲がったりして折れるリスクも格段に減る上に、感染対策の面からも安心です。

②曲がった鍼を使っている

鍼治療に用いる鍼の太さは、一般的に0.12mm〜0.24mmのものです。

髪の毛が平均で0.08mmと言われ、鍼はその倍くらいの太さのものになります。

材質はステンレス製が一般的で、弾力があるため体に刺さる際の負担が少なくなるとされています。

鍼が曲がる原因は、体に刺入していく時に無理やり押し込んだり、真っ直ぐではなく斜めに刺した場合に多いです。

曲がってしまった鍼は、弾力性も少なくなりますし、鍼自体が曲がっているためまっすぐ入れることが難しく、さらに曲がる原因にもなります。

少ししなるくらいであれば問題はありませんが、曲がってしまった鍼については、速やかに破棄して新しい鍼に変えることが大事です。

③鍼をしている際に急に筋肉が緊張する

体に鍼を刺入していく際に、筋肉がピクッと反射的に緊張することがあります。

ほとんどの場合では、鍼が曲がることはありませんが、鍼が筋肉の奥深くに入っている場合や強く収縮する部位では、筋肉が緊張する際に曲がってしまう場合があります。

もちろん曲がっただけでは折れることはほとんどありませんが、曲がった鍼を体から抜く際に無理やり引っ張ったりすると折れることがあり、鍼を抜く際には注意が必要です。

もし体に刺した状態で鍼が曲がってしまった場合でも、筋肉の緊張を和らげたり、鍼が曲がった方向を確認しながらゆっくりと抜くことで安全に鍼を抜くことができます。

④鍼自体の質が悪い

鍼治療に使う鍼にも、日本製や海外製のものなど多くのメーカーがあります。

海外製の鍼の中にはコストは安いものの、質が悪いものが存在することも事実です。

今までサンプルとして送られてきたものの中には、針先が尖っていなかったり、長さが違っているものもありました。

また、鍼の持ち手部分が抜けてしまうということをお聞きすることもあります。

一方で日本製のものはとても品質が良く、日々製品の改良が加えられていて、体に刺さる時の痛みが出にくくなるような鍼もあり、施術者だけでなく患者さんにとっても安心です。

自身の臨床経験から

僕は18歳から鍼灸の学校で学び、国家資格を取得して現在で24年目になります。

24年の中で、学会発表をさせていただいたり、中国への研修や数多くの学会での学びもあります。

在学中から生徒同士での練習では、それぞれが未熟ながら数多くの鍼を刺してきました。

実は、ツボや筋肉に対する刺激で効果の出やすいポイントが筋肉の反射が出やすいところだったり、神経に近いところに多くあります。

もちろん、その中でかなり深く鍼を入れてツボや筋肉を刺激するというようなこともやってきました。

そういったところに、安全に施術をするために学生同士や同僚と練習を重ねる必要があります。

練習ですので、無理やり鍼が曲がる状態を作り安全に抜く方法を模索したり、どこまで負担がかからず治療できるかということもたくさんやってきました。

そういった練習を重ねていくことで
・鍼がどこに向かっているか
・深さはどのくらいか
・刺激量が最適化
・鍼が曲がっていないか
がわかるようになります。

現在臨床24年で20万人以上の方の体を見させていただいていますが、今まで鍼の事故は起こっていません。

当院の安全対策

鍼治療

当院では、鍼灸が苦手な方もいらっしゃいますので、鍼施術が適応する患者さん自身に施術が可能かどうかをお聞きし、苦手な方には鍼の代わりになる治療で対応しています。

また、鍼施術を行う際にも、患者さんへの安全面と体に刺さる際の痛みの軽減を考慮し、日本製の鍼を使用しています。

また、臨床経験でも20年を超えるキャリアです。

さまざまな患者さんに対して、鍼灸施術を行ってきましたので、体型や体質に合わせて鍼の太さや刺し方、また深さや強さの目安があります。

体型や体質を考慮しながら鍼を行い、施術の最中にも筋肉や神経など体の反応を見ながら、最大限にリスクを減らすよう心がけ、無理やり体に合わない鍼を行うことはありません。

今回の松本選手の事故は、不幸にも起こったものですが、ほとんど起こる確率の低いものです。

当院はもちろんですが、ほとんどの鍼灸院はこういったリスクを排除する対策をとっておりますので、安心して治療を受けていただけたら幸いです。

(鍼灸師・あんまマッサージ指圧師・柔道整復師 星野泰隆監修)

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