ランナー膝|大会前に膝の外側が痛い。走る?休む?当院が見ている線引きと休む期間の目安

走っている途中で立ち止まり、膝の外側を手で押さえて気にしているランナー(イメージ)

この記事の要約

走ると、膝の外側が痛くなってきた。
大会が近いのに、このまま走っていいのか、休んだ方がいいのか。

今治里山マラソンや愛媛マラソンに向けて練習している方から、この時期によくいただくご相談です。

当院では、歩いても痛むか、膝の外側や太ももの外側に痛みがあるか、膝を曲げ伸ばしたり横に倒した時に痛みが強くなるか、を見て走るか休むかの線引きをしています。

痛みがあるならいったん休む、筋肉痛のような重だるさなら様子を見ながら走れる、が基本の考え方です。

休むと楽になるのに、走るとまた痛くなるのは、足の踏ん張りと体幹の不安定さが残っているからだと私は考えています。

当院では、足と股関節から整えて、膝がぶれない土台を作ります。

家では、歩いて痛むか、走るとだんだん痛むか、走った後に残るか、で休み方を決めてみてください。
大会までの時間が短い時の組み方と、大会の後の過ごし方もまとめました。

※動画は現在編集中です。もう少しお待ちください。

今回のテーマは、走ると膝の外側が痛くなってきた方の「走る?休む?」です

・走り始めは痛みがないが、だんだんと膝の外側が痛くなる
・走り終わった時に、膝の外側が痛くなる
・太ももの外側やお尻も張っている感じがする

このようなお悩みはありませんか?

部活動や趣味で、陸上競技やマラソンをしている方からよくいただくご相談です。
普段の生活では、ほとんど気にならない方もいらっしゃいます。

こういった方に共通するのは、痛みが出るまでの距離が短くなってくることです。

初めは10kmほど走ると痛かったのが、最近は5kmほどで痛くなる、走り終わった後も痛みが残るようになってきた、というお話をよく聞きます。

病院で検査をしてもらうと、走り過ぎで膝に負担がかかるランナー膝(腸脛靭帯炎)と言われることもあります。

しばらく休むと走れる距離は長くなりますが、また痛みがぶり返すことも多いです。

実は、これには足や体幹の不安定さが関係していると、私は考えています。
体のブレが大きくなることで、膝に負担がかかるからです。

大会前の方から、よく聞く不安

・この痛みの原因は何なのか
・休んだら楽になるけれど、また走ると痛くなるから不安
・ハーフやフルにエントリーしているけれど、走り切れるか不安

この記事では、当院が見ている「走る?休む?」の線引きと、休んでも戻る理由、大会までの組み方をお伝えします。

こんな状態なら、いったん走るのを控えた方がいいです

右膝の正面と側面で腸脛靭帯炎により痛みが出る部位を赤く示した解説イラスト膝への負担を減らすには、まず安静が基本です。

痛みがあれば、もちろん走るのを休むと思います。
膝の痛みがなくても、太ももの外側が張っている感じがある時も、練習量を控えたり休んだりすることをお勧めしています。

当院では、次のような状態の時は、いったん走るのを控えていただいています。

・膝の外側に痛みがある
・太ももの外側やお尻にも痛みがある
・膝を曲げ伸ばしすると、痛みが強くなる
・仰向けで膝を曲げ、その膝を外に倒すと、お尻から太もも、膝の外側が痛くなる

膝の外側が痛い、というように場所がはっきりした痛みの時は、走るのを控えた方がいいと考えています。

ランナー膝は、腱鞘炎と同じように、使い続けると炎症が強くなりやすい痛みです。
痛みのある状態で走ると、悪化しやすくなります。

こんな状態なら、様子を見ながら走れます

一方で、様子を見ながら走れるのは、筋肉痛のような重だるい痛みや、全体に突っ張ったような痛みの場合です。

上記でお伝えした「控えた方がいい状態」に近づいてくるようなら、いったん走るのを控えてください。

どこまで休むか:歩いて痛むか、走ると痛むか、走った後に残るか

では、どれくらい休めばいいのでしょうか。
当院では、痛みの出方で3つに分けてお伝えしています。

・歩いても痛みや違和感がある→完全に休む
・走るとだんだん痛くなる→走る距離を短くする
・走った後も痛みが残る→次の日は休む、もしくは距離を短くする

歩いても痛む時は、2週間を目安に完全に休むことをお勧めしています。
炎症を抑えることに集中するためです。

走るとだんだん痛くなる場合は、痛みが出る前に練習を終える、もしくはジョギング程度に軽く走ると、負担が少なくなります。

走った後に残る痛みは、次の日を目安にしてください。
次の日にも張りが残っていれば休むか距離を短くし、痛みが残っていれば休みます。

距離を短くする時は、周回コースで

距離を短くする時には、周回コースを走ることをお勧めしています。

一度に長い距離を走ると、折り返して帰ってくるまでにも負担がかかってしまいます。
短い距離を何周かする形なら、症状が出た時にすぐにやめて帰ることができます。

また、アスファルトのような硬い路面より、土のグラウンドを走る方が、足にかかる負担は軽くなりやすいです。

やらない方がいいこと

・痛みを我慢して、無理に走る
・膝の外側を強くもむ

筋肉が張っている感じがある時は、マッサージでほぐすことも多いと思います。
膝の外側をマッサージすると、太ももの筋肉を痛めることがあるので注意してください。

まずは安静、無理に走らない、が基本です。

休むと楽になるのに、走るとまた痛くなる理由

休んでいる間は痛みが引いたのに、走り始めるとまた膝の外側が痛くなる。
この繰り返しになる方が少なくありません。

休めば炎症は引きますが、膝に負担をかけている原因は、休むだけでは変わらないからです。

当院では、その原因を、土踏まずのアーチの崩れと、体幹を支える筋肉の疲労と見ています。

走り過ぎで筋肉が疲れると、土踏まずのアーチが崩れ、足の踏ん張りが不安定になります。
それを支えようと、ふくらはぎの外側の筋肉が足首を安定させようと頑張りますが、うまくいきません。

足が踏ん張りきれないので、体が外側にぶれやすくなります。
それをお尻から太もも、ふくらはぎの外側の筋肉で支えようと頑張り続けるのが、痛みの元になっていると私は考えています。

なぜ足と体幹の不安定さが、膝の負担になるのか

走る時には、足で地面を蹴って、膝と股関節が動きます。

足首と股関節は曲げ伸ばしだけでなく左右にも大きく動く関節ですが、膝は曲げ伸ばしが主な動きです。

走る時は、片方の足の股関節で体を支えます。
しっかり踏ん張れなくなると体が不安定になり、外側への揺れが大きくなります。

同じように膝にも外側への揺れの負担がかかりますが、膝は左右には動きません。
そのため膝の外側に伸ばされるような負担がかかり、膝の外側に炎症が起こりやすくなると考えています。

つまり、膝の負担を減らすには、まず足と体幹を安定させることが大事になるということです。

足の踏ん張りと、ふくらはぎ外側の筋肉の関係は、こちらの記事に詳しく書いています。

ランナー膝の原因解消のポイントは足!膝の外側が痛い時の治し方

走る方の足のつりやすさや、肉離れを繰り返すことについては、こちらもご覧ください。

肉離れを繰り返す・癖になる|足がつりやすいのは前ぶれ?同じ足を繰り返し痛める理由と当院の考え方

当院の検査で見ること:ご自身でも確かめてみてください

当院では、膝だけでなく、足と股関節の安定を検査で確かめています。

次に挙げる4つの項目は、ご自身でも確かめやすい内容です。

・前に踏み込んだ姿勢で、膝の向きとつま先の向きが同じか
・後ろから見て、かかとが外に傾いていないか
後ろから見た両足のかかとに白い目印を貼りアーチや傾きを確認する写真・立って、もも上げをした時の、上がりやすさの左右差
・仰向けで膝を曲げて、横に倒した時の、倒れやすさの左右差

前に踏み込んだ時に、膝の向きとつま先の向きがそろっている例

前に踏み込んだ時に、膝がつま先より内側に倒れている例

膝の外側が痛む方は、踏み込んだ時につま先と膝が同じ向きを向かず、膝が内側に倒れることが多いです。
もも上げが上がりにくい側、膝倒しが倒れにくい側もあります。

踏み込みで膝の向きを見るチェックは、こちらの記事にも載せています。

膝外側の痛みはランナー膝?|走る時の痛みを改善するストレッチ

大会まで時間がない時の組み方

今治里山マラソン(11月29日)まで3週間ほど、愛媛マラソン(2027年2月7日)まで3か月ほど。
この時期に膝の外側が痛くなった方は、大会に出られるのかが一番の不安だと思います。

当院では、まず大会に出ることを目標にして、そこから逆算して組み立てます。

安静の期間と施術の期間を検査で決め、練習の中でできることとできないことを確かめます。
大会までの負担を減らすために、テーピングを行うこともあります。

走りながらなので負担はゼロにならず、炎症が残ってしまうこともあります。
そのため、大会の後に安静をとりながら、しっかり整えます。

ただし、大会の直前で炎症がひどく、歩くのもつらいという状態なら、出ない選択をしないといけないかもしれません。
なるべく参加することを目的にして、完走、時間、という順に目標を立てていきます。

大会の後に膝が痛くなった時

大会の後に、膝の外側の痛みで来られる方もいます。
炎症を早く引かせるために、まずしっかりと休養し復帰を目指すことが最優先になります。

それとともに足や股関節を整え、膝の痛みの原因となる体の不安定さを整えます。

当院の施術:足から整えて、膝がぶれない土台を作ります

一例ですが、このような膝の外側の痛みに対して、当院では次のように施術を行います。
足、股関節、体幹と順に書きますが、回数を分けるわけではなく、一度の施術の中で少しずつ全体を整えていきます。

まず、足から整えます。
足や股関節が不安定になると膝に負担がかかるので、土台がふらつかないようにするためです。

足が踏ん張れるようになると体のブレが抑えられ、股関節の動きも安定しやすくなるので、次に股関節を整えます。
股関節が整うと、お尻や股関節の前の、体幹を支える筋肉が動きやすくなります。

そうすると、膝の曲げ伸ばしに関係する太ももの前の筋肉や、お尻の横から太ももの外側へ伸びて足を外側から押さえている筋肉の負担が減ります。
膝がぶれなくなるので、膝の負担が軽くなります。

足首と股関節は動きが大きく、膝は曲げ伸ばしが主な動きです。
足首や股関節の安定が悪くなると膝に負担がかかりやすくなるから、膝の痛みが出てくるのです。

仰向けの患者さんの股関節と脚に手を当てて整える施術の様子

また、鍼施術も合わせて行うこともあります。
ふくらはぎの外側、太ももの外側、お尻といった筋肉の緊張を減らすためです。

施術の前と後で、確かめていただくこと

施術を行うと踏ん張りが安定するので、立った感じが変わります。
しっかり踏み込みができる感じになるかを、確かめていただきます。

あわせて、初めに検査した左右差や、動く範囲の変化を見ます。

痛みそのものは、患部の状態によって、すぐに変わらないこともあります。
使い過ぎでの痛みなので、動きやすくなって負担が減っているのが確かめられれば、回復に向かう状態だと考えています。

家でできるストレッチ

走る前後と、休んでいる間にできるストレッチを、2つお伝えします。

①片足ずつ伸ばす、太もも裏のストレッチ

片足を伸ばして座り、反対の足はあぐらのように曲げます。
伸ばした足のつま先を上に向け、両手で膝を押さえて、腰を伸ばしたまま前に倒します。

片足を伸ばして座り、両手で膝を押さえて腰を伸ばしたまま前に倒す太もも裏のストレッチ

②仰向けで膝を90度に曲げて、体を大きくひねるお尻のストレッチ

仰向けで片方の股関節と膝を90度に曲げ、反対側へ体を大きくひねります。
そのまま膝を伸ばして足を少し上げると、お尻と骨盤の周りが伸びます。

仰向けで膝を曲げて反対側へ体を大きくひねり、膝を伸ばして足を上げるお尻のストレッチ

痛みが出る時は、無理をしないでください。

足指や足首、太ももの外側のストレッチは、こちらの記事にまとめています。

膝外側の痛みはランナー膝?|走る時の痛みを改善するストレッチ

テーピングも負担を減らす助けになりますが、それは別の記事でお伝えします。

不安な時は、まずご相談ください

膝の外側の痛みには、注意しないといけないものもあります。

・歩いていても、膝がガクッとずれる感じがする
・急に痛くて、膝が伸びない、曲がらない
・膝全体が腫れている、水が溜まった感じがする
・ひねった後に、急に強く痛み出した
・何度もぶり返す痛みを経験している

こうした時は、使い過ぎとは別に、靭帯や半月板を傷めていることも考えられます。
様子を見るより先に、一度ご相談ください。

当院の検査で、半月板や靭帯を傷めている疑いがある時は、こちらから医療機関をご紹介します。

症状によっては、医師の診察が必要な場合があります。
気になる症状があるときは、まず医療機関にご相談ください。

最後に

大会前に膝の外側が痛くなった方に、いちばんお伝えしたいことです。

使い過ぎでの痛みなので、休めば回復します。
ただ、負担がかかる原因が変わらないと、走り始めるとまた痛みます。

走るか休むかは、膝の状態を見れば決められます。
少しでも早めに見てもらうことをお勧めします。

膝の痛みについての当院の考え方は、こちらにまとめています。

今治市で膝の痛みが良くならない方へ|膝だけを見ない当院の考え方

大会前に膝の痛みで迷っていた方からも、嬉しい感想をいただいています。

無理せず、まずはお気軽にご相談ください。

(はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師・柔道整復師 星野泰隆監修)

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この記事の要点

・走るのを控えた方がいい状態=膝の外側に痛み、太ももの外側やお尻にも痛み、曲げ伸ばしで強くなる、膝を外に倒すと痛む
・様子を見ながら走れる状態=筋肉痛のような重だるさ、全体に突っ張った痛み
・歩いて痛む→完全に休む(2週間が目安)/走るとだんだん痛む→距離を短く/走った後に残る→次の日は休む
・距離を短くする時は周回コースと土のグラウンドで。膝の外側を強くもまない
・休んでも戻るのは、土踏まずのアーチの崩れと体幹を支える筋肉の疲労が残っているから
・大会が近い時は、出ることを目標に逆算。練習量を控え、テーピングで負担を減らすことも。大会後にしっかり整える
・膝がガクッとずれる、急に伸びない曲がらない、腫れている時は、まずご相談ください
・痛みを感じたら無理をせず、早めにご相談ください

この記事を書いた人

星野鍼灸接骨院 院長 星野泰隆今治市で星野鍼灸接骨院の院長をしている星野泰隆です。
はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師・柔道整復師の4つの国家資格を持っています。

1994年にこの道に入り、2004年7月に開業しました。
痛む場所だけを診るのではなく、体全体の負担を見て、回復しやすい状態に整えることを大切にしています。

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