腰痛でマッサージすると痛みが悪化する理由とその対処法

日本人に3000万人の患者がいて、日本の国民病とも言われる腰痛。

製薬会社の実施した統計では、腰痛の対処方法として、自分でまたは家族がマッサージやストレッチをするという方が、31.6%で対処法の中のトップというデータがあります。

ところが、その効果を感じる人は少なく、ほとんど良くならない、もしくは悪化してしまったという方が全体の57%にも上るそうです。

今回のブログでは、腰痛でマッサージすると痛みが悪化する理由とその対処法についてまとめました。

慢性的に腰痛がある、マッサージをしてもあまり変わらないといったかたのお役に立てると思いますので、ぜひ一度ご覧ください。

腰痛でマッサージすると痛みが悪化する理由とその対処法|今治市 星野鍼灸接骨院

腰痛でマッサージをすると痛みが楽になる?

一般的に腰痛の原因となるのは、
・運動不足
・同じ姿勢が続く
・重い物を持つ
などです。

運動不足や重いものを持ったり、同じ姿勢が続くことにより、普段の姿勢にゆがみが出てきます。

歪みにより筋肉の緊張が強くなり硬くなるため、血行が悪くなり神経の緊張から痛みが出てくるようになります。

マッサージやストレッチの目的は、硬くなった筋肉をほぐすことです。

硬くなった筋肉の緊張がほぐれると、楽な姿勢で動きやすくなったり血行がよくなったりするので、神経の緊張も緩和し痛みが軽減してきます。

マッサージやストレッチは、こういった理由で効果的です。

では、なぜ同じようにマッサージやストレッチを行うと痛みが悪化したり、あまり効果を感じなかったりするのでしょうか?

腰痛がマッサージで悪化する理由

腰の筋肉が硬くなっているのをほぐすために、マッサージをしても痛みが出る理由は、大きく2つあります。

理由① 筋肉が強く緊張している状態=筋肉が傷ついている状態

筋肉は伸び縮みして力を発揮しますが、急に力を入れたり、何度も動いていると細かな筋肉の繊維が切れて傷になります。

筋肉は緊張して硬くなることで伸びなくなり、切れている部分に負担がかからなくなります。

このように傷を広げないように硬くなっている筋肉を無理にほぐすと、傷が広がってしまうため力が入りにくくなったり、痛みが悪化しやすくなります。

理由② 体幹安定のため、筋肉は少し緊張している必要がある

腰回りの筋肉は、背骨を支えて体幹を安定させるために、普段から常に少し力が入った状態になっています。

力を発揮する=筋肉が縮んだ状態です。

無理にほぐすと緩みすぎて背骨を支える筋肉に力が入りにくくなり、体幹が不安定になるため痛みが出てしまうことが多くなります。

マッサージで腰痛が悪化しないための対処法

軽くさする程度のマッサージ

マッサージにも筋肉の負担が少ない(損傷が悪化しない)方法があります。

その方法は、軽くさする程度のマッサージです。(詳細は冒頭の動画をご覧ください)

筋肉が損傷すると緊張して硬くなった時に、筋肉の中を通る血管やリンパ管をギュッと押しつぶすようになってしまうため、循環が悪くなります。

筋肉が回復するためには、循環を良くしていち早く炎症を引かせ、傷の回復を促す必要があります。

軽くさする程度のマッサージを行うと、血管やリンパ管の流れが良くなり循環が回復しやすくなるため、筋肉の損傷が早く回復しやすくなります。

逆に、強くマッサージすると伸びたゴムのように筋肉の繊維が傷んで緩んでしまうので、力が入りにくくなり痛みがひどくなりやすいです。

ポイントとしては、点よりも面(手のひら全体)で軽めに押さえるようにして、スポンジの中の水が押し出されるようにジワッと力を入れていきます。

少し物足りないと思うくらいの強さがおすすめです。

もう一つは、腰を支えている足をマッサージする、という方法です。

テニスボールを使った簡単にできるマッサージで、ゴリゴリせず、もも裏の筋肉をほぐすマッサージになります。

もも裏の筋肉が緊張がほぐれると、腰の曲げ伸ばしがしやすくなり体幹が安定しますので、ここをほぐして腰に力が入りやすくしていきます。

【マッサージの方法】(冒頭の動画をご覧ください)
①腰かけた状態でボールを膝裏に置いて背中を伸ばす
②膝を手で押さえたまま足を軽く前後に10回振る
③太もも真ん中の裏にボールを移動して同じように足を10回振る
④足の付け根の裏にボールを移動して同じく10回足を振る

これで、もも裏の筋肉が緩むので腰の曲げ伸ばしの際の負担が減って、痛みが軽減しやすくなります。

それぞれ、少し物足りないかなと思う程度の強さでやってみてください。

(鍼灸師・あんまマッサージ指圧師・柔道整復師 星野泰隆監修)

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