この記事の要約
「いつもの腰痛・肩こりだから大丈夫」と、そう思っていませんか。
実は、“いつもの痛み”と呼んでいても、それが“いつも同じ”とは限りません。
同じように感じる痛みでも、身体の硬さ・動き方・負担の偏り・回復力は、毎日少しずつ変わっています。
この記事では、患者さんとの会話の形で、“慣れた痛み”ほど身体の変化を見落としやすいこと、そして「まだ動けるけれど毎回負担がかかる」段階で見直す大切さをお伝えします。
「いつもの腰痛だから大丈夫」と、そう思っていませんか?
「なんとなく腰が重い」「肩がこる」「これをすると毎回痛い」
いつからあるのかも覚えていない、当たり前になったコリや痛み。
本当に、放っておいて大丈夫なのでしょうか。
患者さんとは、こんなお話になることがあります。
お風呂掃除をすると腰が重い、草むしりをすると腰が痛い、長く立つと片側だけしんどい——そんな状態が、以前からあるという方もいらっしゃいます。
ただ、「いつもこれをすると痛くなるんだよな」と、特に気にしていない方も少なくありません。
急な痛みは不安なのに、「いつもの痛み」は気にならない
もしこれが、「急にギクッとなった」「しびれが出た」「今までと違う強い痛み」だったら、不安になりますよね。
(こうした急な強い痛み、しびれ、足に力が入らないといった症状がある時は、我慢せず、早めにご相談ください。
当院でも検査をして対応しますし、状態によっては医療機関の受診をおすすめすることもあります。)
一方で、「いつもの肩こり」「いつもの腰痛」「いつもの違和感」には、あまり不安を感じません。
「はいはい、いつものやつね」と。
そんなふうに、“変わらないもの”として受け止めている方は、少なくありません。
でも、ここで一度、考えてみてほしいんです。その“いつも”は、本当に“いつも同じ”なのでしょうか。
身体に「いつも同じ」はない
私たちの身体は、毎日少しずつ変化しています。
年齢。仕事量。睡眠。ストレス。身体の使い方。どれも、ずっと同じではありません。
たとえば、こんなやりとりになります。
患者さん
「こんな感じの、次の日には気にならないくらいの腰痛って、普通にありますよね?」
星野
「そう思っている方は、少なくありません。
『今日は草引きをしたしな』『そろそろ歳かな』『最近運動不足だな』
そんなふうに考えて、“いつものこと”として過ごしている方は、少なくないですね」
患者さん
「ちょっと休んだら気にならなくなるんですけど、それでも悪いんですか?」
星野
「そう思いますよね。
休んで楽になるなら、そこまで気にしないこともあるかもしれません。
ただ、ここに大事なポイントがあります。
それは、“同じように感じる痛み”と、“身体の状態が同じ”であることは、別かもしれない、ということなんです」
同じに見えても、中身は変わっている
たとえば、生まれたばかりの赤ちゃんも、1歳になると立って歩けるようになります。
毎日、ミルクを飲んで、寝て、また起きて。
一見、同じことを繰り返しているように見えても、身体は少しずつ変化して、歩けるようになっていく。
それくらい、身体は時間とともに変わっていくものなんです。
でも、自分の身体は毎日使っているからこそ、その変化には気づきにくい。
患者さん
「でも、5年前も同じような腰痛がありましたよ。すぐ良くなって、普通に生活していました」
星野
「そうなんです。痛みの“感じ方”としては、同じように思えるかもしれません。
でも、身体の中では、以前より負担が大きくなっていることもあります。
身体の硬さ、動き方、負担の偏り、回復のしやすさ。
こういったものは、5年のあいだに、少しずつ変わっているからです」
“5年前と同じ腰痛”に見えても、身体は“いつも同じ”ではない。ここが、見落とされやすいところなんです。
こんな時は、身体からのサインかもしれません
患者さん
「じゃあ、どのタイミングで気をつけた方がいいんですか?」
星野
「たとえば、こんな変化がある時です」
・毎回、同じ動作で痛くなる
・前より、回復が遅くなった
・痛む範囲が、少しずつ広がっている
・いつもより、重い感じが残る
「同じ動作をしても、何も気にならない方もいます。
本来なら、そこまで負担が集中しなくてもいい動きなのに、どこかに無理が偏っている。
そういう可能性を教えてくれるサインなんですね」
患者さん
「痛みが強くなくても、身体って悪くなっていることがあるんですね」
星野
「そうなんです。むしろ、“いつもの痛み”として慣れてしまうことで、身体の変化を見落としているケースは、少なくありません。
だからこそ、“動けなくなってから”ではなく、“まだ動けるけれど、いつも負担がかかる”という段階で、身体を見直していくことが大切なんです」
患者さん
「確かに、自分では気づかなかったかも」
星野
「そうですよね。身体の状態を調べてみると、『こんなに動きにくかったんだ』『左右差があったんですね』と、初めて気づかれる方もいらっしゃいます」
患者さん
「そうなんですね。
長く立つと片側だけしんどかったのも、左右でこんなに動きが違っていたからなんですね。
“いつものこと”だと思って、全然気づいていませんでした」
星野
「ご自身で、その違いに気づけるのが大きいんです。
“いつもの腰痛”も、調べてみたら“いつも同じ”ではなかった。
そういうことなんですね」
まとめ:「いつもの痛み」は、“いつも同じ”ではない
「いつもの腰痛だから大丈夫」
そう思っていたものが、実は身体からの小さなサインだった——ということは、少なくありません。
“いつもの痛み”と呼んでいても、その中身は“いつも同じ”ではない。
身体に「いつも同じ」は、ないんです。
“まだ動けるから大丈夫”ではなく、“今の身体は、本当に以前と同じ状態なんだろうか?”
そんな視点で、一度身体を見直してみてもいいかもしれません。
「いつもの痛みだから」と我慢している方や、「最近、少し治りが遅いな」と感じている方は、お気軽にご相談ください。
今の身体の状態を、検査でご一緒に確認します。
無理をせず、お大事になさってください。
症状によっては、医師の診察が必要な場合があります。気になる症状があるときは、まず医療機関にご相談ください。
(はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師・柔道整復師 星野泰隆監修)
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この記事の要点
・「いつもの痛み」と呼んでいても、“いつも同じ”とは限らない。身体に「いつも同じ」はない
・急な痛みには不安になるのに、“慣れた痛み”には不安を感じにくく、変化を見落としやすい
・同じように感じても、身体の硬さ・動き方・負担の偏り・回復力は日々変化している
・毎回同じ動作で痛む/前より回復が遅い/範囲が広がる/重さが残るは見直しのサイン
・“動けなくなってから”ではなく、“まだ動けるけれど負担がかかる”段階で身体を見直す
この記事を書いた人
星野 泰隆(ほしの やすたか) 星野鍼灸接骨院 院長
愛媛県今治市にて、星野鍼灸接骨院を開院。
はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師・柔道整復師の4つの国家資格を持ち、2004年に開業し、臨床の現場に立ち続けています。
2013年に自費施術へ完全移行し、慢性的な肩こり・腰痛・自律神経の不調など、全身の状態を見ながらの施術を行っています。
地域の方の健康に役立てていただくため、院の内外で健康教室も定期的に開催しています。











