患者さんの症例
中学生 野球部 男性
運動会の練習でダッシュした時に太もも前面に急に痛みが起こり、当院に来院されました。
太もも前面に張りがあり、股関節に近いほうが痛みが強く出ていたため。膝付近から筋肉を調べていきました。
触診していくと大腿四頭筋のうちの大腿直筋に少しでこぼことした筋肉の損傷が見られました。
さらに詳しく調べていくと部分的な断裂が確認できました。
筋肉の損傷は、通常では筋繊維の方向に対して垂直方向に横向きに切れることが多いです。
今回は、繊維の方向に沿って縦方向、裂けるような形で確認できました。
それほどひどい状態ではなかったですが、アイシング、干渉波、PNFと筋肉の緊張を取る整復術を行い、最後にテーピングを行いました。
テーピングは筋繊維の損傷部位が広がらないように筋肉に沿って貼ったものと、切れている部分に圧がかかるように交互にクロスして貼り重ねていきました。
施術後は屈伸やジャンプでの痛みがなくなり、歩いても痛みがない状態になりました。
肉離れは筋肉が切れた状態です。
テープなどによって固定して痛みがないと思ていても、損傷部位に負荷がかかると断面が広がってしまうため、しばらくの安静が必要です。
太ももは前面と後面の筋肉の緊張に差が出てくると、肉離れを起こしやすくなります。
太もも後面の緊張を減らすようにストレッチなどをしていると思いますが、前面に対してもしっかりと緊張を取ることが、ケガの予防につながります。
筋繊維の断裂方向は素人ではなかなか判断できにくいです。
走ったりして急に筋肉に痛みが出た場合はすぐに当院にご来院ください。
(鍼灸師・あんまマッサージ指圧師・柔道整復師 星野泰隆監修)
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